[出典] "Innate programmable DNA binding by CRISPR-Cas12m effectors enable efficient base editing" Bigelyte G [..] Siksnys V, Karvelis T. Nucleic Acids Res 2024-01-23. https://doi.org/10.1093/nar/gkae016 [著者所属] Vilnius U (Lithania), U Leipzig.
[注] この論文刊行にあたって、共同責任著者の一人Tautvyda Karvelisが、X (旧 Twitter) に次のように投稿「すべてのCRISPR-Casシステムが核酸を切断するわけではない!最近の  小型のCas12mエフェクターを探索し、コンパクトな塩基エディターの開発に利用できるヌクレアーゼフリーのDNA干渉メカニズムを紹介する」

 クラス2 CRISPR-CasシステムのCas9とCas12ヌクレアーゼは、ガイドRNAに誘導されて外来DNAを切断し、それによって、細菌やアーケアに免疫を提供するとされてきた。リトアニアにドイツが加わった研究チームは今回、サブタイプV-Mに分類されているコンパクトなCRISPR-Cas12mエフェクタータンパク質の特徴を明らかにし、Cas12mは標的DNAの切断ではなく標的DNAへの結合によって、バクテリオファージやプラスミドに対する防御を提供することを示した。
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[参考] Cas12m先行論文紹介crisp_bio記事:[20221208更新] DNAに結合し転写を抑制する小型なCRISPR-Cas12mエフェクター
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Gordonia otitidis (Go) Cas12mの三元複合体のクライオ電顕構造 [PDB 8PM4 / EMD-17757 (2024-01-25公開待ち)]から、DNA結合の構造的メカニズムが明らかになった。生化学的アッセイからは、Cas12mはDNAの転写や複製を阻害するロードブロックとして働き、それによって侵入核酸に対する干渉を引き起こすことが示唆された。

 GoCas12mが本来持っているDNA標的との結合能力を利用して、アデニンデアミナーゼTadA-8eと融合させ、大腸菌とヒト細胞における効率的なA-to-G編集を実現するGoABEを構築した。

 本研究は、機能的に多様なCas12タンパク質ファミリーの理解を広げ、コンパクトな塩基編集ツールのエンジニアリングに利用できるCas12mエフェクターのDNA結合依存的干渉メカニズムを明らかにした。