[出典] "Strategies for single base gene editing in an immortalized human cell line by CRISPR/Cas9 technology" Corrado A, Aceto R [..] Landi S, Gemignani F. 3 Biotech. 2024-01-19/Feb. https://doi.org/10.1007/s13205-023-03878-4 [著者所属] U Pisa, Humanitas Clinical and Research Centre- IRCCS, San Raffaele Telethon Institute for Gene Therapy (SR-Tiget), Institute of Clinical Physiology (Pisa), Istituto Neurologico Carlo Besta (Milan)
CRISPR/as9システムの利用はここ数年で急速に拡大している。ここでは、イタリアの研究チームが、ヒト非悪性腫瘍体細胞株である甲状腺細胞(Nthy-Ori)における一塩基多型の遺伝子編集の最適化について、デリバリーとオフターゲットに関する問題を克服するための戦略について述べる。
- 送達手段として、レンチウイルスと脂質ナノ粒子 (Lipofectamine 3000) を比較した。
- 遺伝子編集を誘導する二本鎖切断 (DSB) には、Cas9ヌクレアーゼとCas9nペア (ダブルニッカーゼ)の2つの戦略を比較した。
- DSB修復用ドナーとして、一本鎖ドナーオリゴヌクレオチド (ssODN) とHR (相同組み換え) ベクターを比較した。
ダブルニッカーゼシステムとHRベクター をLipofectamine 3000 で送達することで、目的の細胞を得ることができた。この結果は、DSBがもたらす末端の形状によるものと思われ、平滑末端の場合は主に非相同末端接合によって処理され(標準戦略)、オーバーハングした場合はHRによって処理される(ダブルニッカーゼ)。その結果、ダブルニッカーゼは不死化したNthy-Ori細胞株のノックインに適しており、一方、標準的なCRISPR/Cas9システムはin/del変異を作り出す遺伝子ノックアウトに適していることが示された。
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