[出典] "Bridge RNAs direct modular and programmable recombination of target and donor DNA" Durrant MG, Perry NT [..] Hsu PD. bioRxiv 2024-01-26 (preprint). https://doi.org/10.1101/2024.01.24.577089 [著者所属] Arc Institute, UC Berkeley, UCSF, 東大

 挿入、欠失、逆位など、ゲノムの突然変異的変化を含むゲノムの再配列は、遺伝的多様性にとって不可欠である。これらの再編成は通常、相同組換えなどの基本的なDNA修復過程や、ウイルスや可動性遺伝因子 (MGE) による外来遺伝物質の転移に関与する酵素によって組織化される。

 UC BerkeleyとArc Institute に籍を置くPatrick D. Hsuが率いる研究チームは今回、ミニマルで自律的なMGEのファミリーであるIS110挿入配列が、コードされたリコンビナーゼに特異的に結合する構造化ノンコーディングRNAを発現していることを発見した。この"ブリッジRNA"は、標的DNAとドナーDNA (IS110エレメントそのもの) と、それぞれ塩基対を形成するヌクレオチドストレッチをコードする2種類の内部ループを含んでいる。

 研究チームは、これらの標的結合ループドナー結合ループは、2つのDNA分子間の配列特異的組換えを誘導するために、独立して再プログラムできることを実証した。このモジュール性により、IS110ブリッジシステムはゲノム上の標的部位へのDNAの挿入、DNAの切除、および逆位というゲノムの改変に必要な3つの基本的DNA再配列をプログラム可能にする。すなわち、IS110ブリッジシステムは、RNAiやCRISPRシステムを超えてRNAガイドシステムの多様性を拡大するシステムである。

[参考] 
Patrick D. HsuのブリッジRNA紹介X (旧ツイッター) 投稿