[出典] "A novel class of inhibitors that disrupts the stability of integrin heterodimers identified by CRISPR-tiling-instructed genetic screens" Mattson NM [..] Chen C-W. Nat Struct Mol Biol. 2024-02-05. https://doi.org/10.1038/s41594-024-01211-y [所属] Beckman Research Institute (City of Hope), City of Hope Comprehensive Cancer Center, Translational Genomics Research Instituter (Phoenix).
細胞膜には細胞外から薬理学的介入の標的になり得る受容体やシグナル伝達タンパク質が豊富に存在している。
Beckman Research InstituteのChun-Wei Chenが率いる研究チームはまず、複数のがんモデルにおいて、ヒト細胞表面プロテオームのライブラリーとインテグリンファミリーのライブラリーを用いた偏りのない一連のCRISPR-Cas9スクリーニングを行った [Fig. 1引用右図参照]。その結果、ITGAV (インテグリンαV) とそのヘテロ二量体のパートナーであるITGB5 (インテグリンβ5) が、癌細胞の増殖に必須のインテグリンα/βペアであることを発見した。
次に、高密度のCRISPR遺伝子タイリングにより [Fig. 4引用右図参照*]、インテグリンαVβ5の二量化に必要なITGAVのβプロペラドメイン内の標的になり得るポケットを特定した。[* 図中の構造図はAlphaFoldによる予測:AlphaFold ID: P06756]
さらに、NCI/DTP Open Chemicals Repositorの128,562化合物を対象とするインシリコ化合物ドッキング (AutoDock Vina)と組み合わせた創薬のためのCRISPR-Tiling-Instructed Computer-Aided (CRISPR-TICA)パイプラインを開発し、ITGAVのβ-プロペラ中心ポケットを標的とするリード阻害剤としてCpd_AV2を同定した。
Cpd_AV2の投与は、インテグリンαVβ5の迅速な結合解除と細胞アポトーシスをもたらし、ヘテロ二量体の解離を介してインテグリン・シグナル伝達を排除するユニークな治療作用クラスを提供した。本研究はまた、CRISPR-TICAのアプローチが、将来の創薬研究にとって利用しやすい方法であることを示した。
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