[出典] "Targeting DNA2 overcomes metabolic reprogramming in multiple myeloma" Thongon N [..] Colla S. Nat Commun 2024-02-08. https://doi.org/10.1038/s41467-024-45350-8 [所属] UTexas MD Anderson Cancer Center, Michigan Medicine, IRCCS Instituto Romagnolo per lo Studio dei Tumori (IRST) Dino Amadori (Italy), U Parma, Mayo Clinic, College of Pharmacy and Health Sciences (Butler U, Houston)
多発性骨髄腫 (MM) のDNA 損傷療法の課題は、MMが耐性を帯びることである。米国にイタリアが加わった研究チームは今回、標準治療が無効で病勢が進行しているMM患者の70%において過剰発現しているDNA損傷制御因子であるインターロイキンエンハンサー結合因子2 (ILF2) を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド (ASO) 療法に対して、MM細胞が耐性を獲得する機構を探った。
MM細胞では、DNA損傷の活性化に応答して、エネルギーバランスを回復し生存を促進するために適応的な代謝の再配線 (rewiring) が進行する。この再配線を担う因子として、一連のDNA修復経路に関与する196遺伝子を対象とするCRISPR/Cas9スクリーニングから [論文Fig. 3参照] 、ミトコンドリアDNA修復タンパク質DNA2 (DNA Replication Helicase/Nuclease 2 )を同定した。酸化的DNA損傷に対抗するために不可欠なDNA2の機能喪失は、ILF2 ASO誘発DNA損傷に対するMM細胞の耐性を抑制した。
本研究は、DNA損傷の活性化に伴ってミトコンドリア代謝に対する要求が高まるというMM細胞の脆弱性を明らかにした。
1q21MM細胞におけるILF2枯渇によって誘導されるDNA損傷に対する抵抗性は、MM細胞の代謝を解糖からミトコンドリアによる高エネルギー需要に切り替える代謝リプログラミングに依存している。DNA2活性を標的とすることで、プロテアソーム阻害剤 (PI) による治療に対する耐性を獲得した細胞のような代謝リプログラミングが進行したMM細胞において、合成致死が誘導される。

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