[出典] "Comparative analysis of lipid Nanoparticle-Mediated delivery of CRISPR-Cas9 RNP versus mRNA/sgRNA for gene editing in vitro and in vivo" Walther J [..] Mastrobattista E. Eur J Pharm Biopharm. 2024-02-05. https://doi.org/10.1016/j.ejpb.2024.114207 [所属] Utrecht U, U Medical Center Utrecht.
CRISPR-Cas9システムの送達にあたっては、プラスミドDNA、RNA、またはリボ核タンパク質複合体 (RNP) の3種類の形態を選択できる。ユトレヒトの研究チームは最近、Cas9 RNPを脂質ナノ粒子 )LNP) に効率的に製剤化し、in vitroで機能的に送達できることを明らかにした [*]。
本研究では、mRNA Cas9、sgRNAおよびHDRテンプレートをカプセル化したLNPと、Cas9-RNPおよびHDRテンプレートを含むLNPを比較した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。
In vitroアッセイにおいては、前者が、レポーターHEK293T細胞とHEPA 1-6細胞の双方に対して、より小さな粒子径、分解酵素に対するより優れた保護、より高い遺伝子編集効率を示した。
In vivoアッセイにおいては、雌のAi9マウスで全身投与後の生体内分布と遺伝子編集効率について比較した。mRNAのCas9を送達するLNPは主に肝臓に保持され、Cas9-RNPを送達するLNPはさらに脾臓と肺にも認められた。
マウスにおける遺伝子編集は、mRNA Cas9およびsgRNAを送達するLNPの場合に結果が得られ、肝細胞において
遺伝子ノックアウト効率60%を達成した。
本研究から、LNPでCRISP-Cas9システムを送達する場合、in vitro においてもin vivo においても、Cas9のカーゴの形態として、RNPよりもmRNAが優ることが示された。
[*] Mastrobattistaらの先行研究
- [20231025更新] Cas9 RNPを両親媒性膜透過性ペプチドLAH5を利用して送達することで安全かつ効率的な遺伝子編集と変異修正を実現;"Amphipathic Cell-Penetrating Peptide-Aided Delivery of Cas9 RNP for In Vitro Gene Editing and Correction" Öktem M, Mastrobattista E, De Jong OG. Pharmaceutics 2023-10-20.
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