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(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/02/16CRISPR関連文献メモ_2016/02/16

  • Corresponding author: Ailong Ke (Cornell U.)
  • CRISPR/Casシステムの構造と機能解析が精力的に進められてきた中で、タイプI-E CRISPR/Casシステムについても、例えば、ssDNAに結合したCascade (CRISPR-associated complex for antiviral defence)の結晶構造4QYZ 挿入図参照)やエンドヌクレアーゼのCas3の結晶構造(*下記参照)が解かれてきたが、CascadeがPAMを認識する機構が不明であった.また、E. coli のCascadeが5種類のPAM(5’-ATG;AAG;AGG;GAG;TAG)を認識する機構も不明であった.
    35030001
  • Ailong Keらは今回、標的の外来二本鎖DNAに結合しているE. coli Cascadeの結晶構造を分解能2.45 Åで決定し、PAMに依存した外来DNAの認識からR-ループ(R-loop)形成に至る分子機構モデルを提唱した.
  • Cascadeは、二本鎖DNA(dsDNA)状態で5’-ATG PAMをDNAの副溝(minor groove)側から認識する.これはCascadeのサブユニットCse1の構造の3つの特徴(グルタミン・ウエッジ;グリシン・ループ;リジン・フィンガー)に依存している.CascadeのルーズなPAM認識は、DNA副溝の認識が本来的に曖昧なことによって来ると考えられる.
  • [モデル]
    CascadeがdsDNAを走査してdsDNAの副溝側からPAM配列を探索 → PAMの認識/長い滞留時間/dsDNA局所的に折れ曲がり → 最適な副溝相互作用/グルタミン・ウエッジ挿入/プロトスペーサーの最初の2塩基対の破断/DNA融解 → dsDNAのうち標的ストランドの一本鎖DNAとcrRNAの二本鎖形成 → DNAさらに巻き戻し/dsDNAのうち非標的ストランドがCascadeのサブユニットCse2二量体の裏側へと隔離/R-ループ固定 → R-ループ形成はCse1-CTDの回転とCse2二量体のスライドを伴う → Cse1の局所的再配置 → エンドヌクレアーゼCas3のリクルート.

(*)(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/02/16Type CRISPR-Casシステムの造基解明

  • バクテリアとアーケアに獲得免疫をもたらすゲノム上の座位CRISPR(Clustered regularly interspaced short palindromic repeat)は、9月22日時点のCRISPRdbによると、アーケア150株とバクテリア2,612株において、それぞれ、126株に563カ所と1,176株に3,502カ所が検出されている。獲得免疫は、外来DNAが認識・切断されてCRISPRsの間にスペーサーとして組み込まれ、外来DNAが組み込まれた座位がpre-crRNA (CRISPR RNA precursor)へと転写後にcrRNAへと切断され、crRNAがCas(CRISPR-associated)タンパク質を外来DNAヘ誘導し外来DNAを切断するプロセスを経る。このCRISPR-Casシステムは、プロセスの相違によってI、ⅡならびにⅢの3種類のタイプに分類されている。 
  • タイプⅠでは、Casタンパク質とRNAの複合体であるCascade(CRISPR-associated complex for antiviral defense)が、Cascadeに含まれないCas3タンパク質を活性化して、外来の二重鎖DNAを分解する。2014年8月に、以下の論文リストにあるように、Cascadeの構造とCas3の構造が相次いで報告され、タイプⅠの構造基盤が明らかになってきた。Cascadeの立体構造ならびにcrRNAと外来DNAとの結合様式は、いずれの報告においても、8月7日Scienceオンラインで公開されたJackson等の報告と良く一致していた。すなわち、Cascadeは全体としてタツノオトシゴのような形状であり、11種類のCasタンパク質で保持されたcrRNAは、長さ6塩基の5つのブロックとして外来DNAに対して提示され、ブロックのうち6番目の塩基は外来DNAと結合せず、各ブロックのうち5塩基が外来DNAとリボン状に結合する(すなわち、crRNAと外来DNAは二重螺旋を構成しない)。 
  • 【注】今回の典拠論文ならびにPerspectiveは全て2014年8月に刊行された。

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