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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2024-11-02 PNAS 誌刊行査読付き論文の書誌情報を追記

2024-02-19 bioRxiv 投稿に準拠した初稿
[出典] "Characterisation of RNA editing and gene therapy with a compact CRISPR-Cas13 in the retina" Kumar S [..] Liu GS. (bioRxiv 2024-02-11)   Proc Natl Acad Sci U S A. 2024-10-30/11-05. https://doi.org/10.1073/pnas.2408345121 [所属] Centre for Eye Research Australia, U Melbourne, U Tasmania, U Sydney, Children’s Medical Research Institute (Australia), Laboratory of Molecular Oncology and Innovative Therapies (Poland), Australian Genome Therapeutics Centre, Centre for Ophthalmology and Visual Sciences (U Western Australia)

 NCBIのEugene V. Kooninが2019年にNature Reviews Microbiolgy 誌にて発表した分類体系によれば、CRISPR-Casシステムは、2015年時点のの2クラス/5タイプ/16サブタイプから2クラス/6タイプ/33サブタイプへと拡大し、その後も、ゲノム解析とメタゲノム解析から新たなシステムが発見され続けている。その中で、クラス2タイプVIシステムに属するCRISPR-Cas13ヌクレアーゼはRNAを標的とするプログラム可能なエフェクターであり、遺伝子発現の可逆的抑制に利用可能である。

 Cas13ヌクレアーゼの中でも最近発見されたCas13bt3はコンパクト (775 aa) で、アデノ随伴ウイルス (AAV) による送達が容易で、様々な臓器に安全、強力、かつ持続的に導入することが可能である。Centre for Eye Research AustraliaのGuei-Sheung Liuが率いる研究チームは今回、Cas13bt3発現の重要なトランスクリプトーム・シグネチャーを同定し、ヒト網膜オルガノイドとヒト化マウスモデルにおいてCas13bt3のオールインワンAAV遺伝子治療によるVEGFA の効果的サイレンシングを実証した。

 特に、ヒトES細胞由来の網膜色素上皮細胞において、Cas13bt3-AAV投与後にCas13bt3が高発現を示し、VEGFA mRNAを有意に低減した。さらに、網膜血管新生を発症するヒトVEGF遺伝子導入(trVEGF029; Kimba) マウスにおいて、Cas13bt3-AAVを硝子体内投与すると、受容細胞に到達し、マウス網膜細胞に効率的に導入され、マウスVEGFAに影響を与えることなく、ヒトVEGFA の特異的ノックダウンが実現された。

 この結果は、Cas13活性を評価するための重要な考察を明らかにし、Cas13bt3が糖尿病性網膜症や湿性加齢黄斑変性の治療を目的とする長期間有効な抗VEGF剤としてを利用可能なことを示した。

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