2024-03-19 Nature Biotechnology 誌のNews & Views記事の書誌情報を追記し, ジャーナルからのX投稿を引用
[出典] News & Views "A retrotransposon for site-specific gene transfer" Dyda F, Hickman AB. Nat Biotechnol
2024-03-18. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02180-9 [所属] NIDDK/NIH
2024-02-24 Nature Biotechnology 論文に準拠した初稿
[出典] "Harnessing eukaryotic retroelement proteins for transgene insertion into human safe-harbor loci" Zhang X, Van Treeck B [..] Collins K. Nat Biotechnol. 2024-02-20.
https://doi.org/10.1038/s41587-024-02137-y [所属] UC Berkeley.

 遺伝子治療には、選択した治療用遺伝子をヒトゲノム上のセーフハーバー遺伝子座に安定的に導入する手法が必須である。ウイルスベクターを利用する戦略が長年利用されてきたが、近年は、CRISPR-Casシステムによる導入法も広がってきた。しかし、いずれも、効率が十分高いとは言えず、オフターゲット編集のリスクなどの課題を伴っている。カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは今回、導入遺伝子をRNAを介して正確に導入する手法PRINT (precise RNA-mediated insertion of transgenes) を開発して、この課題解決を実現した。
  • PRINTは、多コピーのセーフハーバー遺伝子座のゲノムに直接導入遺伝子の合成を誘導する、部位特異的プライミング逆転写のアプローチである。
  • PRINTでは、鳥類のR2レトロエレメントタンパク質をコードするメッセンジャーRNAと、4kbまでの長さの導入遺伝子をコードする鋳型RNAという、2つのin vitro転写RNAを用いる。
  • R2タンパク質は標的部位を協調的に認識し、片方の鎖を正確な位置で切断し、導入遺伝子を安定的に挿入するための相補的DNA合成を促す。
  • 培養ヒト初代細胞株では、50%以上の細胞が数個の2kbの導入遺伝子を獲得することができ、そのうち50%以上が完全長である。
 PRINTは、RNA依存でありextragenomic DNA (宿主ゲノム以外のDNA) に依存しないことから、有害な突然変異誘発や自然免疫反応のリスクが限定され、比較的低コストで迅速な生産と送達のスケーラビリティを実現可能である。

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