[出典] "In vivo CRISPR knockout screen identifies p47 as a suppressor of HER2+ breast cancer metastasis by regulating NEMO trafficking and autophagy flux" Hao M [..] Guan JL. Cell Rep. 2024-02-16. https://doi.org/10.1016/j.celrep.2024.113780 [所属] U Cincinnati College of Medicine, Cincinnati Children’s Hospital Medical Center

 オートファジーの機能不全が癌やその他の疾患に関与していることが知られている。米国の研究チームは今回、乳癌モデルマウスにおいて、オートファジーの制御に関与する遺伝子全てを標的とする生体内CRISPR-Cas9スクリーニングを行い、p47をコードするNsfl1c 遺伝子がヒトHER2陽性乳癌の転移抑制因子であることを同定した。

 p47のノックアウトは転移を特異的に促進し、原発性乳腺腫瘍の成長を促進することはなかった。また、ヒト乳癌患者データベースと組織サンプルの解析から、p47発現レベルの低下と転移および生存率の低下との相関が示された。また、p47がNEMOのエンドソームへの輸送とオートファジーフラックスを調節することで転移を抑制する機構も明らかにされた [Fig. 7 参照]