[出典] "From RNA to DNA: CRISPR/LbuCas13a Demonstrates Exceptional Single-Nucleotide Specificity" Liu Y, Wu X, Luo S et al. Research Square. 2024-02-19 (preprint; under review).  https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-3920513/v1 [所属] Shenzhen U

 CRISPRシステムのエフェクターの中でCas13aシステムはこれまでRNA特異的なヌクレアーゼとされ、RNA検出において広く利用されてきた。これに対して、深圳大学の研究チームが、Cas13aの中でも、Leptotrichia buccalis Cas13a (LbuCas13a) が、RNA標的Cas13aと異なりPFS (Protospacer Flanking Sequence) を必要とせず、また、DNA標的Cas12aと異なりPAM (Protospacer Adjacent Motif) 配列の制約を受けることなく、DNAを直接認識し、ロバストなトランス切断活性を発揮することを発見した。また、本来RNaseとして機能するLbuCas13aは、DNAを認識しながら分解しないことも発見したが、この特徴によって標的核酸を繰り返し検査する手法に利用可能である。さらに、DNAの一塩基に対する特異性が、RNAの場合から98倍へと著しく向上していた、この一塩基特異性の向上は、ガイドRNA (crRNA)のDNAに対する親和性が低いことが、crRNA-DNA結合エネルギー上の障壁が高くなったことに起因することも明らかにした。
[注] 投稿には「この驚くべき発見は、LbuCas13aのin vitro転写用crRNAを作製する際に、DNAテンプレートをうっかりそのままにしてしまったという、不注意な実験的見落としの結果に由来する」と記されている。From RNA to DNA

 研究チームはこの発見を活かして、先駆的な分子診断プラットフォームASSUREDを開発した [Fig. 1引用右図参照]ASSURED (Advanced LbuCas13a-Strong-Specificity DNA Universal Rapid Enhanced Detection)は、CYP2C19*3遺伝子バリアントの正確な識別に代表される高分解能ジェノタイピングを実現し、0.3 aM (0.18 cps/μL)という微量のDNA濃度を検出できる超高感度を示す。この比類のない特異性と感度により、リアルタイム核酸検出を大きく前進させ、臨床診断における病原体の同定や変異解析に理想的なツールとなっている。

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