[出典] "A Massively Parallel CRISPR-Based Screening Platform for Modifiers of Neuronal Activity" Boggess SC [..] Kampmann M. bioRixv. 2024-02-28 (preprint). https://doi.org/10.1101/2024.02.28.582546 [所属] UCSF, City College of SanFrancisco, Genentech.
UCSFのMartin Kampmannらは、ヒト細胞における遺伝子機能のスケーラブルな特性解析を可能にするため、これまでにCRISPRi とCRISPRaをベースとするスクリーン [1] を、神経細胞 [2, 3]、ミクログリア [4]、アストロサイト [5] など、脳機能や疾患に関連するヒトiPSC由来細胞種に適用してきた。これらのスクリーンにより、細胞種特異的な生物学的プロセスの根底にある遺伝子やメカニズムを偏りなく同定することができる。プール型CRISPRスクリーンでは、細胞生存 [2, 3, 6]、トランスクリプトームの状態 [2, 3]、酸化損傷 [3]、リソソームの機能 [3]、タンパク質凝集 [7[などの神経細胞の表現型の解明に成功した。しかし、プール型CRISPRスクリーンでは、神経細胞活動の修飾因子の発見するまでには至らなかった。今回は、超並列スクリーンによる神経細胞の興奮性の修飾因子発見を報告する。
神経細胞活動の修飾因子を大規模に評価する際の課題を克服するために、
カルシウムシグナルの統合を利用したプール型スクリーン法を開発した。蛍光性カルシウムインテグレーターCaMPARI2は [Figure 1引用右図参照]、高カルシウムと紫外線の存在下で光変換することにより、ニューロン内のカルシウムレベルの不可逆的な記録として機能する。
カルシウムシグナルの統合を利用したプール型スクリーン法を開発した。蛍光性カルシウムインテグレーターCaMPARI2は [Figure 1引用右図参照]、高カルシウムと紫外線の存在下で光変換することにより、ニューロン内のカルシウムレベルの不可逆的な記録として機能する。 各ニューロンにおける光電変換の比率に基づき、フローサイトメトリーによって相対的な活動レベルを識別することができる。このツールとCRISPRiを併用し、プール型遺伝子スクリーンを行い、神経細胞の興奮性を修飾する遺伝子を発見した [Figure 2引用左下図とFigure 4引用右下図参照]。
これらの遺伝子には、TARPやイオンチャネルなど、神経細胞の興奮性を制御する既知の遺伝子のほか、神経細胞の興奮性に影響を与えることがこれまで報告されていない自閉症スペクトラム障害(ASD)やアルツハイマー病(AD)に関連する遺伝子も含まれている。
[引用論文と関連crisp_bio記事]
- 2017-05-10 CRISPRiとCRISPRaは、ヒト細胞における遺伝子発現の抑制と活性化を、ゲノムワイドで調節可能にする:設計と実証; "Genome-Scale CRISPR-Mediated Control of Gene Repression and Activation" Gilbert LA. et al. Cell. 2014-10-23.
- 2019-08-18 CRISPRiに基づくヒトiPSC由来ニューロンにおけるマルチモーダル遺伝的スクリーニン;"CRISPR Interference-Based Platform for Multimodal Genetic Screens in Human iPSC-Derived Neurons" Tian R, Gachechiladze MA, Ludwig CH[..] Ward ME, Kampmann M. Neuron 2019-08-15.
- "Genome-wide CRISPRi/a screens in human neurons link lysosomal failure to ferroptosis" Tian R. et al. Nat Neurosci 2021-05-24.
- 2022-08-21 ヒトiPS細胞由来ミクログリアを対象とするCRISPRi/aスクリーンにより、脳障害の状態を制御する因子を同定;"A CRISPRi/a platform in human iPSC-derived microglia uncovers regulators of disease states" Dräger NM, Sattler SM, Huang CT [..] Gan L, Kampmann M. Nat Neurosci 2022-08-11.
- "CRISPRi screens in human iPSC-derived astrocytes elucidate regulators of distinct inflammatory reactive states" Lung K et al. Nat Neurosci. 2022-10-27
- "CRISPRi-based screens in iAssembloids to elucidate neuron-glia interactions" Li E et al. bioRxiv 2023-04-27 (preprint).
- "CRISPR screens in iPSC-derived neurons reveal principles of tau proteostasis" Samelson AJ et al. bioRxiv 2023-06-26 (preprint)


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