2024-09-15 プロトコル論文が刊行された:"Protocol for in vivo CRISPR screening targeting murine testicular cells" Noguchi Y, Maruoka M, Suzuki J. STAR Protoc. 2024-09-11. https://doi.org/10.1016/j.xpro.2024.103306
[出典] "In vivo CRISPR screening directly targeting testicular cells" Noguchi Y [..] Suzuki J. Cell Genome. 2024-02-27. https://www.cell.com/cell-genomics/fulltext/S2666-979X(24)00037-5 [所属] 京大, 北大, 山口大, 徳島大, Institute of Biomedical Sciences Academia Sinica (兼任), CREST, JST;グラフィカルアブストラクト
精子形成を調べるためにマウスの精巣細胞に最適化した、生体内ゲノムワイドCRISPR-Cas9 sgRNAライブラリースクリーニング技術のプロトコルを紹介:ウイルス注入、精子選別、プライマーゼを用いた全ゲノム増幅の手順について説明し、続いて、“revival screening”技術を用いたライブラリー再構築の手順について詳述する。このプトロコルは、複雑な精子形成過程を明らかにし、様々な組織特異的研究に適応可能である。
2024-03-13 初稿[出典] "In vivo CRISPR screening directly targeting testicular cells" Noguchi Y [..] Suzuki J. Cell Genome. 2024-02-27. https://www.cell.com/cell-genomics/fulltext/S2666-979X(24)00037-5 [所属] 京大, 北大, 山口大, 徳島大, Institute of Biomedical Sciences Academia Sinica (兼任), CREST, JST;グラフィカルアブストラクト
日本の研究チームは、先行研究で、精子形成に関与する因子を同定するために、精子の受精を指標としたin vitroでのrevival screening [*1]を開発していたが、今回、その手法を生体内へと展開した [Figure 1参照]。
sgRNAライブラリーを精巣細胞に導入することで、網膜変性蛋白質3遺伝子 (Rd3 )を精子形成に重要な因子として突き止めることに成功した。scRNA-seq解析により、Rd3 が円形精子細胞で高発現していることが明らかになり、プロテオミクス解析により、Rd3 がミトコンドリアと相互作用していることが示された。
研究チームは、scRNA-seq解析とプロテオミクス解析から細胞種特異的なシグナル伝達経路を探索するため、計算ツールHub-Explorer [*2]を開発した。その結果、Rd3が繊毛新生誘導時にミトコンドリア分布を制御することで酸化ストレスを調節することを発見した。
[*1] revival screening
[出典] "Caspase cleavage releases a nuclear protein fragment that stimulates phospholipid scrambling at the plasma membrane" Maruoka M [..] Suzuki J. Mol Cell. 2021-04-01. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2021.02.025
[出典] "Caspase cleavage releases a nuclear protein fragment that stimulates phospholipid scrambling at the plasma membrane" Maruoka M [..] Suzuki J. Mol Cell. 2021-04-01. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2021.02.025
[日本語解説] Press Release "不要な細胞の除去機構の発見 - 核内因子が直接細胞膜に作用する! -" 京都大学アイセムス(物質−細胞統合システム拠点), 京都大学生命科学研究科, 日本医療研究開発機構. 2021-03-25. page 3.
細胞を増殖させることなく生化学的活性に基づくスクリーニングを実現するために、CRISPR sgRNAライブラリーを用いたin vitroスクリーニング系を確立した。この系では、レンチウイルスsgRNA導入後、異なる生化学的活性を示す標的細胞を蛍光プローブで標識し、その蛍光強度に基づいてフローサイトメトリーで選別し、ゲノムDNA(gDNA)を精製する。最後に、精製されたgDNAからPCRによって挿入sgRNA領域を増幅し、濃縮sgRNAライブラリーを再構成する。このシステムを応用することで、増殖を示さない瀕死の細胞からも、細胞膜上の脂質動態を制御する因子を同定することに成功した。
細胞を増殖させることなく生化学的活性に基づくスクリーニングを実現するために、CRISPR sgRNAライブラリーを用いたin vitroスクリーニング系を確立した。この系では、レンチウイルスsgRNA導入後、異なる生化学的活性を示す標的細胞を蛍光プローブで標識し、その蛍光強度に基づいてフローサイトメトリーで選別し、ゲノムDNA(gDNA)を精製する。最後に、精製されたgDNAからPCRによって挿入sgRNA領域を増幅し、濃縮sgRNAライブラリーを再構成する。このシステムを応用することで、増殖を示さない瀕死の細胞からも、細胞膜上の脂質動態を制御する因子を同定することに成功した。
[*2] Hub-Explorer
Hub-Explorerは、特定の細胞タイプにおける主要な制御パスウェイを解明するために、遺伝子共発現ネットワーク(gene co-expression network: GCN) と遺伝子オントロジー (GO) を融合させた解析ツールである。Hub-Explorerは:(1)遺伝子発現マトリックス、(2)関心のある遺伝子のリスト、(3)遺伝子シンボルとUniProt IDの間の接続を確立するアノテーションファイルを入力とする [Figure 5参照]。
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