[出典] "Using RNA-targeting CRISPR-Cas13 and engineered U1 systems to reduce ABCA4 splice variants in Stargardt disease" Liou RHC [..] Wong RCB. bioRxiv 2024-03-09 (preprint) https://doi.org/10.1101/2024.03.08.584155 [所属] Royal Victorian Eye and Ear Hospital (Australia), U Melbourne, U Umeå, U Western Australia, Lions Eye Institute (Australia), China Medical U (Taiwan), U Cambridge, Arizona State U, Institute of Zoology CAS, Key Laboratory of Organ Regeneration and Reconstruction CAS, U CAS, Beijing Institute for Stem Cell and Regenerative Medicine.
選択的スプライシングの調節異常は、mRNA転写産物の異常をもたらし、機能不全タンパク質やナンセンスを介する崩壊を引き起こし、様々なミススプライシング疾患の原因となる。したがって選択的スプライシングプロセスを標的とする治療戦略は、mRNAのスプライシングを疾患アイソフォームから正常アイソフォームに移行させ、機能的タンパク質を回復させることができる可能性がある。
オーストラリア、台湾、および中国の研究チームは今回、ABCA4 遺伝子の両アレル遺伝子変異によって引き起こされる常染色体潜性遺伝性網膜疾患であるスターガルト病 (STGD1) をモデルとして、選択的プライシング異常の修復を試みた。
スターガルト病のさまざまな症状に関連するABCA4 遺伝子上の変異は、800以上が知られているが今回対象としたのは、ABCA4 のスプライシング・バリアントc.5461-10T>Cとc.4773+3A>Gであり、それぞれエクソン39-40とエクソン33-34のスキップを引き起こす。これらのABCA4 スプライシング不全を修復するために、今回、4種類のCRISPR-Cas13システム(CASFx-1 (RBFOX1N-dCasRx-C)、CASFx-3 (dCasRx-RBM38)、RBFOX1N-dCas13e-C、RBFOX1N-dPspCas13b-C)と人工U1システム (ExSpeU1) を含む種類のRNA標的編集システムの有効性を比較した。
ヒト網膜色素上皮細胞株ARPE19のABCA4 バリアントを含むミニ遺伝子システムを用いた結果、RBFOX1N-dPspCas13b-Cが最も優れたCRISPR-Casシステムであり、ABCA4 c.5461-10T>Cバリアントを最大80%減少させ、ABCA4 c.4773+3A>Gバリアントを最大78%減少させることができた。対照的に、単一のExSpeU1の送達は、ABCA4 c.4773+3A>Gバリアントを84%まで効果的に減少させることができた。
CRISPR-Cas技術および人工U1によるスプライシング制御の有効性は、sgRNA/snRNAターゲティング配列に強く依存することが観察され、ミススプライシング転写産物を効率的にターゲティングするためには、最適なsgRNA/snRNAの設計が重要であることも判明した。
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