[出典] "Benchmarking CRISPR-BP34 for point-of-care melioidosis detection in low-income and middle-income countries: a molecular diagnostics study" Pakdeerat S [..] Wongpalee SP, Chewapreecha C. Lancet Mirobe 2024-03-13. https://doi.org/10.1016/S2666-5247(23)00378-6 [所属] Mahidol-Oxford Tropical Medicine Research Unit, Mahidol U, Sunpasitthiprasong Hospital, Maharaj Nakorn Chiang Mai Hospital, Chiang Mai U, U Cambridge, Wellcome Sanger Institute, Vidyasirimedhi Institute of Science and Technology.

 顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs) である類鼻疽は、予防するワクチンはまだ承認されていないが、早期にセフタジジムまたはカルバペネムを投与すれば治療可能な疾患である。しかし、その症状が多様で広範にわたり、また、患者の臨床検体からの原因菌 (Burkholderia pseudomallei ) のDNA検出が培養実験を必要とすることから診断確定にまで3〜4日を要し、手遅れになることが多い。そこで、B. pseudomallei の簡易・迅速・正確な検査法が求められている。

 タイと英国の研究チームは、Wellcome Sangar研究所で解読された3,000種類以上のB. pseudomallei ゲノムを解析し、B. pseudomallei に特異的な遺伝子標的を同定した。彼らはゲノムの保存領域を検索し、他の病原体やヒト宿主ゲノムに対して標的をスクリーニングし、選択した標的がB. pseudomallei に特異的であることを確認した。

 CRISPR-BP34と呼ばれるこのアッセイ法は、細菌細胞を破裂させ、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅反応を用いて細菌の標的DNAを増幅し、Cas12aのコラテラル活性を介してシグナル増幅し、シンプルなラテラルフロー・ディップスティックで読み出す。

 研究チームは、類鼻疽が流行しているタイ北東部にあるSunpasitthiprasong 病院で、類鼻疽患者114人と類鼻疽を発症していない患者216人に由来する臨床検体で、CRISPR-BP34を評価した。その結果、CRISPR-BP34の感度は93%に達し、細菌培養法の66.7%を大きく上回った。また、尿、膿、喀痰サンプルでは4時間以内、血液サンプルでは1日以内に結果が得られた。CRISPR-BP34の性能は、類鼻疽のPOCTとして有望である。