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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2024-03-20 アフリカの農業におけるゲノム編集をテーマとする小冊子を追記
[出典] スクリーンショット 2024-03-30 17.25.26"Genome Editing in Africa’s Agriculture 2021: An Early Take-off" Margaret Karembu (Director, International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications (ISAAA AfriCenter), Nairobi Kenya. https://africenter.isaaa.org/wp-content/uploads/2021/04/GENOME-EDITING-IN-AFRICA-FINAL.pdf [注] 表紙を右図に引用
1. Introduction 4
1.1 Milestones in Plant Breeding 5
1.2 How CRISPR genome editing works in agriculture 6
2. Genome editing projects and experts in eastern Africa 7
2.1 Kenya 8
2.2 Ethiopia 14
2.3 Uganda 15
3. Gene editing projects and experts in southern Africa 17
3.1 South Africa 18 
4. Gene editing projects and experts in West Africa 19 
4.1 Nigeria 20 
5. Gene editing projects and experts in Central Africa 21 
5.1 Cameroon 22 
6. Gene editing projects and experts in North Africa 23 
6.1 Egypt 24 
7. Conclusion 25 
8. CRISPR genome editing: inside a crop breeder’s toolkit 26 
9. Regulatory Approaches for Genome Edited Products in Various Countries 27 
10. Communicating about Genome Editing in Africa

2024-03-27 タンザニアのDodoma大学の講師単独執筆によるレビューを紹介:紫外線B波 (UVB) 耐性作物の育種戦略の最新動向
[出典] REVIEW "The recent possible strategies for breeding ultraviolet-B-resistant crops" Gideon Sadikiel Mmbando (Department of Biology, College of Natural and Mathematical Sciences, University of Dodoma, Tanzania) Heliyon 2024-03-07
https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2024.e27806

 紫外線B(UVB、280-315nm)に対する作物の感受性は、UVBによって誘導されたシクロブタン型ピリミジン二量体 (CPD)を固定するCPD光分解酵素の活性に左右される。アフリカ産のOryza glaberrima やベンガル産のO. sativa ssp. indica riceのように、UVB放射量の多い熱帯地域で栽培される作物は、UVB放射に対してより敏感であり、地表のUVBレベルが上昇した結果、より多くの被害を受ける可能性がある。したがって、熱帯地域では、高いUVBに耐える作物を作ることが重要である。しかし、UVB耐性植物を育種するための現在の技術に関する情報はほとんどない。
 本総説では、UVB耐性作物を作出するための最新の技術を紹介する。DNAメチル化の利用、抗酸化システムの強化、マイクロRNA396の発現制御、トランスジェニック植物におけるCPD光分解酵素の過剰発現などが、その方法の一部として取り上げられている。

 トランスジェニック植物におけるCPD光分解酵素の過剰発現は、UVB耐性イネを作出するための最も一般的な技術である。この研究はまた、CRISPR遺伝子編集技術を用いてUVB耐性植物を作り出すためのいくつかの戦略も提示している。急速に拡大する世界の人口を養うために、こうした研究情報を食糧生産の改善の研究に貢献するだろう。

2024-03-24 Nature Biotechnology 投稿に準拠した初稿
[出典] CORRESPONDENCE "Making genome editing a success story in Africa" Abkallo HM, Arbuthnot P, Auer TO et al. Nat Biotechnol 2023-03-19.
https://doi.org/10.1038/s41587-024-02187-2; (correspondind authors) Auer TO, Chakauya E, Di Donato V [所属] U Fribourg (スイス), TReND in Africa (英),  North-West U (南ア), AUDA NEPAD Southern Africa Network for Biosciences (SANBio) (南ア), ZeClinics SL (スペイン)など27機関

 2012年にCRISPR-Casシステムがゲノム編集に利用可能なことが証明されて以来、世界中の医学生物学の基礎研究およびトランスレーショナルリサーチに革命が起きた。最近、鎌状赤血球症 (SCD)とβサラセミアに対する初のCRISPR-Casベースの遺伝子治療が承認されたことで、この技術とバイオイノベーションにおけるその可能性が注目された。SCDはアフリカ人またはアフリカ系アメリカ人を祖先に持つ人に見られ、βサラセミアは、地中海沿岸/中東/東南アジア/インドに祖先を持つ人々に多く見られる。その一方で、アフリカではゲノム編集の研究があまり進んでこなかったが、農業、公衆衛生、医療などにおける重要な課題に対処する上で大きな変革がもたらされる可能性がある [Fig. 1: Genome-engineering patent and publication distribution 参照]

 他のバイオテクノロジーと同様、ゲノム編集もアフリカでは大きな障害に直面している。国ごとに異なる規制の状況 [Fig. 2: African biosafety regulatory frameworks and selected genetic-engineering or genome-editing projects]、分子生物学研究のための実験室、機器、試薬へのアクセスの制限、訓練を受けた専門家の不足、国外に出た人々の帰国率の低さなどである。また、投資もほとんど行われておらず、ほとんどの国がGDPの1%未満しか研究開発に費やしていない。アフリカの研究機関の外部資金への依存、グローバル・ノースとの不平等な協力関係、外国企業による知的財産やライセンスの管理は、さらに進歩を妨げている。加えて、学校や大学のカリキュラムにバイオテクノロジーが組み込まれているレベルが低いこと、リスク認識が不正確であること、一般市民の支持レベルが明らかに低いこと (多くの場合、誤った情報による)、そうした状況の中で結果的に政治的意志が不十分であることなどが挙げられる。

[注] 出典記事では、以下、「アフリカにおけるゲノム編集イノベーションの可能性」と「アフリカにおけるゲノム編集ベースのイノベーションの障害を克服する」について、詳しく論じられている。
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