[出典] "Discovery and characterization of sgRNA-sequence-independent DNA cleavage from CRISPR/Cas9 in mouse embryos" Yang L, Chen L, Zheng Y [..] Wang Z, Li S. Genomics 2024-03-24. https://doi.org/10.1016/j.ygeno.2024.110836 [所属] Kunming U Science and Technology, Yunnan Key Laboratory of Primate Biomedical Research

 CRISPR/Cas9システムは、プログラムされた遺伝子編集においてオフターゲット効果を誘発する可能性があるが、胚発生における切断の検出とその影響に関する報告は少ない。これらの事象を研究するために、中国の研究チームが、オフターゲット率の異なるsgRNAを設計し、マウス接合体にマイクロインジェクションした後に比較し、DNA損傷のマーカであるγH2AXを利用して、
免疫染色およびCUT&Tagアッセイ https://www.activemotif.jp/blog-cut-tag によるDNA切断部位を分析した。

 通常の遺伝子編集では、オフターゲット活性が低いsgRNAs (以下、低オフターゲットsgRNAs) が選択されるが、γH2AX免疫蛍光法により、Cas9システム注入から15時間後に相対的なDSBピークが存在することが示され、ピークにおけるγH2AX巣 (foci)の数は、低オフターゲットsgRNA注入群で対照群よりも有意に多かった。

 さらに、CUT&Tagアッセイの結果、低オフターゲットsgRNA注入群では、コントロール群よりも多くのDNA二本鎖切断 (DSB) 関連配列が検出され、DSB関連配列の分布には染色体特異性がないことが示された。

 DSB関連配列のGene Ontology (GO) アノテーション解析から、これらの配列は主にいくつかの重要な生物学的プロセス、分子機能、細胞構成要素に関連する遺伝子に集中していることが示された。

 結論として、Cas9システムを遺伝子編集に用いた場合、マウス初期胚にはsgRNA配列に依存しないDSBが多数存在し、DSB関連配列がゲノム中で検出され、特徴づけられる可能性がある。

 これらの結果および方法は、Cas9システムを使用または最適化する際にも考慮されるべきである。