[出典] "Transforming the CRISPR/dCas9-based gene regulation technique into a forward screening tool in Plasmodium falciparum ". Lucky AB, Wang C [..] Miao J. iScience 2024-03-27. https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.109602 [所属] U South Floridal;グラフィカルアブストラクト (右図に引用)
P. falciparum におけるCRISPR突然変異誘発スクリーニングは、c-NHEJが存在しないことと、ATリッチな配列の反復のために困難であり、また、MMEJを介したスクリーニングにも課題があった。米国の研究チームは今回、誘導可能なCRISPRi / dCas9-HAT (PfGCN5) とCRISPRa /dCas9-HDAC (PfSir2a) を利用して、P. falciparum を対象とするプール型スクリーニングを実現した。
9種類の遺伝子 (ATG18, AP2G, CHC, CRT, DNMT, GCN5, K13, MYST および MDR1 )を標的とするsgRNAsを利用して作出した9種類の変異系統をプールして、薬剤 (アルテミシニンとクロロキン) およびストレス (飢餓と熱ショック) を加えた際にP. falciparum のフィットネスに寄与する遺伝子を同定することに成功した。
今回のアプローチは、個々の遺伝子に摂動を加えるスクリーニングとは対照的に、すべての標的遺伝子を同時に比較することができるため、競合的な状況でのみ明らかになる可能性のある微妙な欠陥の検出や、ストレスや薬物反応に関与する遺伝子の同定を可能にした。
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