[出典] "Rapid Variant Pathogenicity Analysis by CRISPR Activation of CRB1 Gene Expression in Patient-Derived Fibroblasts" Moon SY [..] McLenachan S. CRISPR J. 2024-04-05. https://doi.org/10.1089/crispr.2023.0065 [所属] U Western Australia, Eye Institute, Sir Charles Gairdner Hospital, Royal Perth Hospital, U Melbourne, Royal Victorian Eye and Ear Hospital

 遺伝性網膜疾患 (inherited retinal diseases: IRDs) は、網膜に発現する遺伝子の病原性変異によって引き起こされる。オーストラリアの研究チームが今回、CRISPR活性化 (CRISPRa) を利用して患者由来の線維芽細胞で網膜遺伝子の発現を誘導することにより、IRD関連遺伝子の変異の病原性を迅速に評価することが可能なことを示した。

 具体的には、網膜色素変性症 (retinitis pigmentosa: RP) 患者由来の線維芽細胞において、CRISPRaによるCRB1遺伝子の発現誘導を実証し、特定の変異に関連する発症メカニズムの解析を可能にした。
  • CRB1のc.4005 + 1G>A変異体は、同じRP12患者由来のCRISPR活性化線維芽細胞および網膜オルガノイドにおいてエクソン11スキップを引き起こした。
  • c.652+5G>C変異体は、CRISPR活性化線維芽細胞においてエクソン2スキッピングを増強し、線維芽細胞およびROにおいてCRB1アイソフォーム発現に異なる影響を及ぼすことが示された。
 本研究は、患者由来の線維芽細胞におけるIRD遺伝子変異の転写スクリーニングのための利用しやすいプラットフォームを示すものであり、あらゆる遺伝子変異の迅速な病原性評価に応用できる可能性がある。