[出典] "Precise CRISPR/Cpf1 genome editing system in the Deinococcus radiodurans  with superior DNA repair mechanisms" Chen Z [..] Hua X, Zhao Y. Microbiol Res. 2024-04-09. https://doi.org/10.1016/j.micres.2024.12771 [所属] Zhejiang U

 デイノコッカス・ラジオデュランス (D. radiodurans )は、二本鎖DNA切断(DSB)の相同組換え(HR)効率が高く、ゲノムの安定性維持を研究するモデル生物であり、産業応用のための魅力的な微生物である。浙江大学の研究チームは今回、二重プラスミド戦略 [Fig. 1参照] および様々微生物由来の4種類のCasエフェクタータンパク質を評価・最適化することにより、D. radiodurans における効率的なCRISPR/Cpf1 (Cas12a)ゲノム編集系を開発した。

 さらに、様々なDNA損傷応答・修復因子を欠損した13種類の変異株にCRISPR/Cpf1システムを導入することで、D. radiodurans の編集効率を決定するDNA修復遺伝子の役割を評価した。CRISPR/Cpf1の編集に必要なRecA依存性HRの重要な役割に加えて、D. radiodurans は、RecA非依存性DSB修復経路に関与する一本鎖DNAアニーリング (SSA) タンパク質であるDdrBを欠損させた場合に、より高い編集効率を示した。このことは、D. radiodurans のCRISPR編集において、HR経路とSSA経路が競合している可能性を示唆している。さらに、デイノコッカス属のDNA損傷応答遺伝子であるpprIノックアウト株のゲノム編集においてオフターゲット効果が観察されたことから、DNA損傷応答の正確な制御が高忠実度のゲノム編集システムにとって重要であることが示唆された。