[出典] REVIEW "CRISPR-Cas gene knockouts to optimize engineered T cells for cancer immunotherapy" De Castro V, Galaine J, Loyon R, Godet Y. Cancer Gene Ther 2024-04-12. https://doi.org/10.1038/s41417-024-00771-x [所属] Université de Franche-Comté

[注] tgTCR-T細胞 (トランスジェニックT細胞: 抗原特異的TCRの遺伝子を導入したT細胞)

 人工のT細胞であるCAR-T療法とtgTCR-T療法は、それぞれ血液腫瘍と固形腫瘍において注目すべき有望な結果を示しているが、一連の課題が残っている。そのため、人工T細胞の機能を保護し、より効果的に発揮させるための新たな戦略が求められている。

 最近、CRISPR技術がT細胞の機能の維持にブレークスルーをもたらした。すなわち、特定の細胞表面受容体、細胞シグナル伝達タンパク質、転写因子など、T細胞の機能不全の発症や維持に関与するT細胞の負の制御因子を発見することが可能になった。ひいては、CRISPR技術を利用してこれらの負の制御因子をノックアウトすることで、T細胞の機能の低下を防止することが可能となった。

 本総説では、T細胞の機能不全プロファイルの確立について再考した後、人工T細胞の抗腫瘍効果を亢進するCRISPR技術による遺伝子ノックアウト研究の最新動向を概観する。その中で、最近の進歩がどのように発見され、特定されたかを見ながら、養子細胞療法における重要な進歩を示す。