[出典] "Boosting genome editing in plants with single transcript unit surrogate reporter systems" Tang X, Ren Q [..] Qi Y, Song H, Zhang Y. Plant Commun. 2024-04-13. https://doi.org/10.1016/j.xplc.2024.100921 [所属] Southwest U, U Electronic Science and Technology of China, U Maryland

 CRISPR-Casを用いたゲノム編集は、植物ゲノミクスの発展と作物の改良に多大な可能性を秘めている。しかし、編集活性が低いあるいはガイドRNAなどによって変動するという課題は、編集結果の同定・解釈を複雑にしている。著者らは、目的とするゲノム編集が実現した植物の選抜を強化するために、複数の単一転写ユニットで構成されるサロゲートレポーター (single transcript unit surrogate reporter: STU-SR) システムを導入した。

 これまで、目的とするゲノム編集が実現した植物の濃縮には、外来選択マーカーの導入や、関心のある遺伝子 (GOI) とは独立なサロゲートレポーター (GOIとは異なるsgRNAで標的する)の導入が利用されてきたが、いずれも、必ずしも標的遺伝子の編集イベントが忠実には反映されなかった。著者らは今回、サロゲートレポーター遺伝子を内因性のGOIを標的とするsgRNAで標的可能にするアプローチ, STU-SR,をとることで、レポーター遺伝子の編集活性とGOIの編集活性との間に直接的なリンクを確立することに成功した。

 ゲノム編集後のレポーター遺伝子の機能回復には、STU-SR-SSAにおける相同組換えのための効率的な一本鎖アニーリング (SSA) など、様々な戦略が採用されている。STU-SR-BEシステムは、開始コドンを復活させるためにBE (Base Editing: 塩基編集)を活用し、C-to-TおよびA-to-G塩基編集イベントを濃縮する。

 この新たなアプローチによって、Cas9ヌクレアーゼベースの標的変異誘発、シトシン塩基編集 (CBE)、アデニン塩基編集 (ABE) を含む、単子葉植物イネにおけるゲノム編集実験の効率化が進んだ。このシステムは、PAMレスとされるSpRYのようなCas9変異体との互換性もあり、双子葉植物作物であるアブラナ科植物のゲノム編集を促進することも実証された。