[出典] "A CRISPRi/a screening platform to study cellular nutrient transport in diverse microenvironments" Chidley C [..] Sorger PK. Nat Cell Biology. 2024-04-11. https://doi.org/10.1038/s41556-024-01402-1 [所属] Harvard Medical School, Koch Institute for Integrative Cancer Research, MIT, Dana-Farber Cancer Institute

 癌細胞の増殖に不可欠な栄養素の取り込み阻害は、癌治療に向けた有力なアプローチであるが、標的とすべきトランスポーターが不明である。ここでは、CRISPRi/aスクリーニング・プラットフォームを用いて、標準培地から腫瘍までの環境において、癌細胞の増殖をサポートする栄養素トランスポーターの寄与を体系的に探った。

 米国の研究チームが今回、ヒト細胞に存在する全てのATP結合カセット (ABC) トランスポーターおよびATP加水分解エネルギーに依存しない溶質キャリアー (solute carrier: SLC) トランスポーターを介した栄養素の取り込みまたは放出への寄与を体系的に調べるために、sgRNAライブラリーを用いたCRISPRiおよびCRISPRaスクリーニングを行った。
  • 慢性骨髄性白血病由来K562細胞におけるアミノ酸のトランスポーターの同定に応用し、アミノ酸の輸送には、腫瘍微小環境に依存する高い双方向フラックスが関与していることを見出した [Fig. 1引用右図 a/b/c 参照]。
  • シスチン飢餓細胞におけるトランスポーターの役割を調べる中で、セロトニンの取り込みがフェロトーシスを防ぐ役割を果たしていることを見出した。
  • マウスの皮下腫瘍における細胞増殖に必須なトランスポーターを同定し、その環境ではグルコースとアミノ酸のレベルが増殖を抑制することを見出した。
 本研究は、重要な細胞栄養素トランスポーターを体系的に同定し、その機能を特徴づけ、腫瘍微小環境が癌の代謝にどのような影響を与えるかを探るための枠組みを確立した。