- サーズウイルス2は、店舗での何気ない接触 (casual contact) によっても、伝播していた
[出典] "Substantial transmission of SARS-CoV-2 through casual contact in retail stores: Evidence from matched administrative microdata on card payments and testing" Johannesen N et al. PNAS 2024-04-17. https://doi.org/10.1073/pnas.2317589121 [所属] U Copenhagen, Danmarks Nationalbank, Oxford U (兼任) 

 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のパンデミックは、サーズウイルス2の感染経路を理解することが公衆衛生政策にとって極めて重要であることを浮き彫りにした。しかし、感染者と非感染者との何気ない接触 (casual contact) を研究者が捉えることは無かったため、公共空間における何気ない接触によって発生する感染を解析した報告はこれまで見られなかった。

 デンマークの研究チームが今回、COVID-19パンデミックの間に、個人がいつどこで店舗を訪れたかを正確に示すカード決済データと、いつ感染したかを示す検査データとを組み合わせることによって、何気ない接触が感染拡大に寄与した可能性があることを、初めて、報告した。すなわち、店舗で感染者に何気なく接触すると、翌週の感染率が有意に高くなることが明らかになり、小売店での買い物客同士の感染がCOVID-19の流行に寄与したことが示唆された。

 具体的には、感染者が店舗で買い物をした10万件以上の事例が特定され、それぞれの事例において、同時期に同じ店舗で買い物をした他の個人の感染動態を追跡した:
  • 感染者から5分以内に買い物をし曝露された客と、16~30分前に同じ店舗で買い物をし曝露されなかった客の感染率を比較した。
  • その結果、店舗内で感染者に暴露されると、暴露後3日目から7日目にかけて感染率が約0.12ポイント上昇することが分かった (P < 0.001)。
  • この推定値は、店舗での感染が平均的な感染個体の再生産数に約0.04寄与していることを意味し、オミクロンが優勢な変異体であった期間では有意に寄与していた。
 2024-04-21 7.27.09[参考] マスクがウイルスを止める仕組み
  • ウイルス粒子のサイズに比べて日常的なマスクの繊維の穴は大きいので、マスクをしても意味がないという説が一部で流布されていたが ...