[出典] REVIEW "Genetic Tools for Cell Lineage Tracing and Profiling Developmental Trajectories in the Skin" Nathans JF, Ayers JL, Shendure J, Simpson CL. J Invest Dermatol 2024-04-19. https://doi.org/10.1016/j.jid.2024.02.006 [所属] U Washington Seattle.

 皮膚の最外層は生涯を通じて絶えず再生されて、脱水、熱損傷、病原体感染、紫外線損傷などから、身体を保護する。皮膚は、表皮幹・前駆細胞が外部からの刺激や傷害に応答して、皮膚バリアを構築、維持、修復することで、胚発生と創傷治癒の双方において、その役割を遂行する。

 創傷治癒の際、皮膚において、表皮は迅速に再構築されるが、汗腺や毛包などの皮膚付属器では、瘢痕化した成体組織では失われてしまう。発生や創傷修復の過程で皮膚幹細胞が分裂する正確な順序を理解し、その子孫の細胞タイプのアイデンティティを追跡することで、皮膚の再生が可能になる。

 近年、CRISPR-Cas9技術を利用することで細胞系譜の事象をDNAに記録し、細胞系譜を再構成する細胞系譜追跡技術が充実してきた。そうした技術を利用して、皮膚再生をもたらす細胞シグナル伝達のキューを記録・再生可能にするツールは、正常な皮膚の形態形成やストレス要因への応答、さらには皮膚疾患や癌における細胞増殖や分化の調節不全を促進するメカニズムについての理解を深めることが期待される。

 本総説では、オルガノイドやモデル生物を含む細胞系譜追跡のための最先端の方法を紹介し、皮膚生物学の研究者が、皮膚の再生能力と可塑性を支える発生プログラムを解明するために、これらの技術をどのように活用できるかを探る。

[構成]
The Promise and Limitations of Lineage-Tracing Methods
Principles of DNA Sequencing–Based Platforms for Lineage Tracing
Lineage Tracing in Organoids, Organs, and Model Organisms
Tracing the Origins and Drivers of Cancer
Leveraging DNA Sequence–Based Lineage Tracing in the Skin (CRISPR-Cas9 based)
Summary
Practical Considerations
 High Copy Number Delivery Methods
 Timing and Saturation of Editing Activity
 Library Generation
 Data Analysis