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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Magnetic Nanoparticle-Assisted Non-Viral CRISPR-Cas9 for Enhanced Genome Editing to Treat Rett Syndrome" Cho HY [..] Choi JW, Lee KB. Adv Sci. 2024-04-22. https://doi.org/10.1002/advs.202306432 [所属] State U New Jersey, Sogang U (兼任), Kookmin U (兼任), UCSD Stem Cell Program

 CRISPR-Cas9技術による遺伝病治療が期待を集めているが、解決しなければならない課題がいくつかある。標的細胞への送達効率の低さ、ゲノム編集の効率、CRISPR-Casシステムの精度などである。米国・韓国の研究チームは今回、CRISPR-Cas9技術のトランスフェクション効率、生体適合性、ゲノム編集精度を大幅に改善する、磁性ナノ粒子支援ゲノム編集 (Magnetic Nanoparticle-Assisted Genome Editing: MAGE*)プラットフォームを開発した。
[*] MAGEは、CRISPR分野で"Multiplex Automated Genome Engineering"の意で使われてきている

 開発した技術の実現可能性を示すために、MAGEをレット症候群患者由来のiPS細胞由来神経前駆細胞 (iPSC-NPC) の変異MeCP2 遺伝子の修正に適用した。MAGEは、マグネトフェクション (magnetofection)と磁気ビーズにより細胞選別法 (magnetic cell sorting) を組み合わせたことで、プラスミドのサイズに制限をかけず、インキュベーション時間を大幅に短縮しつつ、高いマルチプラスミド導入効率 (99.3%)と修復効率 (42.95%) を達成した。

 さらに、修復されたiPSC-NPCは、神経細胞に分化する際に野生型神経細胞と同様の特性を示し、MAGEとその将来の臨床応用の可能性が示された。

 本研究で開発されたナノバイオ複合CRISPR-Cas9技術MAGEは、さまざまな臨床応用、特に多様な遺伝性疾患を標的とした幹細胞治療への可能性を提供する。
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