crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Function of the RNA-targeting class 2 type VI CRISPR Cas system of Rhodobacter capsulatus " Kretz J, Börner J [..] Klug G. Front Microbiol 2024-04-29. https://doi.org/10.3389/fmicb.2024.1384543 [所属] Justus-Liebig-U

 細菌に内在しているいくつかのCRISPR-Casシステムは、様々な生物ストレス条件下で生理学的に重要であることが報告されている。ドイツの研究チームは今回、異なるストレス条件下での生理学的試験とRNA-seqを用いて、Rhodobacter capsulatus通性光合成細菌α-プロテオバクテリウムRhodobacter capsulatus のRNA標的クラス2タイプVI CRISPR-Cas13aシステム [Figure 1引用右図参照]の機能を分析した。
  • このシステムの発現は、指数増殖期の非ストレス条件下では低く、酸化ストレス、膜ストレス、静止期では高い。
  • 標的プロトスペーサーRNAの存在下でCRISPR Casシステムを誘導すると、R. capsulatus の増殖が停止する。
  • RNA-seqにより、cas13a が標的プロトスペーサーの存在下で誘導されると、R. capsulatus のトランスクリプトームが大きく変化する。この変化は、RNAの5′末端マッピングから、細胞内RNA [*]の断片化を伴う。[*] 例えば、複数のリボソームタンパク質とRNAポリメラーゼサブユニットRpoA、RpoB、RpoCをコードするゲノム遺伝子座に由来するmRNAである。
 今回得られたデータは、このCRISPR Casシステムが、増殖を停止することで、ファージの集団内での拡散を防ぐ防御機構として機能していることを示した。
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