[出典] "A Sensitive Technique Unravels the Kinetics of Activation and Trans-Cleavage of CRISPR-Cas Systems" Feng W, Peng H, Zhang H, Weinfeld M, Le XC. Angew Chem Int Ed Engl. 2024-03-25. https://doi.org/10.1002/anie.202404069 [所属] U Alberta, Research Center for Eco-Environmental Sciences CAS (兼任);グラフィカルアブストラクト 

 CRISPR-Cas13aシステムの活性化には、crRNA-Cas13aリボヌクレオタンパク質(RNP)複合体の形成と、RNA活性化因子とRNPの結合が必要である。これら2つの結合過程は、CRISPR-Cas13aシステムの性能において重要な役割を果たしている。しかしながら、結合の動態はまだ十分に理解されておらず、動的に形成されるCRISPR-Cas13a酵素の活性をリアルタイムで測定する高感度な方法がないことが主な課題である。

 カナダの研究チームが今回、結合動態を研究する新たな手法を開発し、Cas13aとその活性化因子との結合の速度定数 (konとkoff) と解離定数 (Kd) を測定した。この手法により、CRISPR-Casシステムのトランス切断速度をリアルタイムで測定し、活性化されたCRISPR-Cas三元複合体の濃度をリアルタイムで得ることに基づいて、結合と切断の動態を別々に解明し、定量化した。さらに、crRNA-Cas13a RNPは一旦活性化されると、広い温度範囲 (7-37℃ ) に渡って速いトランス開裂を維持することを、発見した。Cas13aのこの特徴は、常温 (例えば25℃) でのトランスクリプトームや診断に有用である。