[出典] "CRISPR-based gene expression platform for precise regulation of bladder cancer" Zhan T, Li X, Liu J, Ye C. Cell Mol Biol Lett. 2024-05-09. https://doi.org/10.1186/s11658-024-00569-7 [所属] The Third Affiliated Hospital of Guangzhou Medical U, Shenzhen U General Hospital, Guangdong Provincial People's Hospital, Guang Dong Medical Academic Exchange Center.

 Cas9やCas12のほぼ半分のサイズのCasΦ [*] の発見により、標的への送達は容易になったが、一方で、遺伝子編集効率が低下する課題を伴っていた。中国の研究チームは今回、細胞内環境に安定に存在し、NF-κBとβ-カテニンの機能を特異的に阻害する合成二重抗体 (specific double antibody: SDA)システムを設計し、これにより、細胞内の自然免疫応答を抑制して遺伝子編集効率を高めることにより、CRISPRシステムの遺伝子導入発現を上昇させることに成功した。加えて、このアプローチが顕著な腫瘍抑制効果をもたらすことを示した。
  • Bladder cancer 3CRISPR-CasΦをベースとし、細胞内のβ-カテニンとNF-κBを検出するセンサーモジュールと、全体的な効率を高めるためのSDAモジュールを含むCRISPRベースの遺伝子発現プラットフォームを構築した [Fig. 3引用右図参照]
  • このプラットフォームは、in vitro実験において、優れたCDK5発現阻害効率と腫瘍細胞に対して特異的な細胞毒性を示した。また、T細胞を介した細胞傷害性によって膀胱癌細胞を選択的に殺傷できることを同定した。
 本研究のアプローチは、遺伝子治療を強化する可能性があり、膀胱癌以外の他の疾患の遺伝子治療にも展開可能と考えられる。

[*]