[注] 4Rタウオパチー (four-repeat tauopathies)
[出典]
 ヒト人工多能性幹細胞 (hiPSC) 由来の神経細胞は、神経疾患の根底にある病理学的メカニズムの解明に大きな可能性を秘めている。しかし、タウオパチーに関しては、hiPSCモデルは4Rタウの発現が低く、特徴的な病的タウ蛋白質封入体を再現することが難しいため、限界があった。

 Weill Cornell Medicineを主とする研究チームは今回、CRISPR-Cas9遺伝子編集を用いて、hiPSC由来神経細胞で4Rタウと凝集しやすいMAPT P301S変異を持つ4Rタウを発現させた (以下、4R-P301S) 。
  • 4R-P301S神経細胞は、タウ線維と播種するとロバストなタウ凝集と伝播、および、進行性のタウ封入体を示し、タウオパチーの表現型の特徴を再現した。
  • CRISPRiスクリーニングをこの新たなhiPSCモデルに適用し、ユビキチン様の翻訳後修飾であるUFMylationに関与する遺伝子を含む、タウ伝播の潜在的な修飾因子を同定した。
  • このUFMylationカスケードを破壊することで、4R-P301S hIPSC由来ニューロンにおいても、in vivoマウスモデルにおいても、タウ封入体の伝播が抑制された。
 本研究で作製したhiPSC株は、タウが細胞を横切って伝播する機構や、異なるタウ系統がどのように異なるタウオパチーを生じさせるかなど、タウ病理の研究資源として有用である。