[出典] “Prime editing-mediated correction of the leptin receptor in muscle cells of db/db mice” Lee KE, Xu Y [..] Zhu H. Biotechnol J. 2024-05-10. https://doi.org/10.1002/biot.202300676 [所属] Ohio State U Wexner Medical Center, The Center for Cardiovascular Research at Nationwide Children's Hospital

 DNA配列中の単一の遺伝子変異に起因するタイプの遺伝性疾患は塩基編集をベースとする治療法の格好の対象である。塩基編集技術の中で、PEは、二本鎖切断や編集用のドナーDNAテンプレートを必要とせずにヒトゲノムを編集できるという特長を備えている。さらに、PEは、ゲノム標的可能な領域を限定することになるPAM配列を必要としない特長も備えている。

 オハイオ州の研究チームは、B6.BKS(D)-Leprdb/Jマウス (db/dbマウス) の変異レプチン受容体を標的とするプライム編集ガイドRNA (pegRNA) を設計し、

 このpegRNAdb/dbマウスの短趾屈筋 (flexor digitorum brevis muscle: FDB) に注入したところ、目的とする塩基変換が認められレプチン受容体遺伝子の変異が修正された。さらに、PEを加えた骨格筋に、レプチン受容体シグナルの増強が見られた。

 PEによる生体内での変異タンパク質の修正と、機能的タンパク質に関連した生理機能の救済が可能なことが示された。

[注] db/dbマウスの変異

 db/dbマウスは、レプチン受容体遺伝子のイントロン18におけるGからTへの点突然変異によって引き起こされる肥満の表現型を示し、その結果、レプチン受容体のC末端が欠損する選択的スプライシングが起こる。この結果、レプチン受容体のC末端が欠損し、細胞内シグナル伝達を開始することができなくなり、db/dbマウスにおいて重篤な肥満を引き起こす。