crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] “Herpes simplex encephalitis due to a mutation in an E3 ubiquitin ligase” Bibert S [..] Bochud PY. Nat Commun. 2024-05-10. https://doi.org/10.1038/s41467-024-48287-0 [著者所属は文末に

 脳炎は,単純ヘルペス1型感染によるまれであるが致死的な症状である。ローザンヌを主とする研究チームが今回、ゲノムワイド遺伝子解析 (GWAS)の結果、単純ヘルペス脳炎を発症した生後14ヵ月の女児において、E3ユビキチンリガーゼWWP2 における、これまで同定されていなかった非常に稀なヘテロ接合体変異を同定した。

  • p.R841H変異体 (NM_007014.4:c.2522G > A) は、iPS細胞由来の神経前駆細胞およびニューロンにおいて、TLR3を介したシグナル伝達を障害した。
  • この変異を持つ細胞は、コントロール細胞と比較してHSV-1感染に対する感受性がより高かった。
  • p.R841H変異体はin vitroTRIFのユビキチン化を増加させた。
  • CRISPR-Cas9技術によってp.R841Hを修正すると、抗ウイルス免疫が回復した。
  • さらに、野生型細胞にp.R841Hを導入すると、このような免疫力が低下した。

[著者所属]

U Hospital and U Lausanne, U Lausanne, Institute of Molecular and Clinical Ophthalmology Basel, U Basel, U , Leicester, Ludwig Institute for Cancer Research, SIB Swiss Institute of Bioinformatics


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