[] MICU3はミトコンドリアカルシウム取り込みの組織特異的エンハンサーである [Cell Death Differ, 2019
[出典] “MICU3 Regulates Mitochondrial Calcium and Cardiac Hypertrophy” Roman B [..] Murphy E. Circ Res 2024-05-15. https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.123.324026 [所属] Cardiac Physiology Lab, NHLBI/NIH, U Minnesota Medical School, Mouse Phenotyping Core

背景

  • ミトコンドリアによるカルシウム (Ca2+)の取り込みは、ミトコンドリアCa2+ユニポーターを介して行われる。
  • ミトコンドリアCa2+ユニポーターは複合体として存在し、膜間腔に局在する3つのMICUタンパク質 (MICU1; MICU2; MICU3)によって制御されている。
  • その中でMICU3は心臓に存在するが、その役割はほとんど不明である。

実験方法

  • CRISPR-Cas9を利用してMICU3をグローバルに欠失させたマウスを作製し、また、アデノ随伴ウイルス (AAV9)を利用して野生型マウスにMICU3を過剰発現させた。
  • Ca2+感受性蛍光色素を加えた灌流心臓でアドレナリン刺激を行った後、光学的方法を用いて、生体外心臓におけるミトコンドリアカルシウム([Ca2+]m)の制御におけるMICU3の役割を検証した
  • さらに、MICU3の欠失と過剰発現がin vivoの心機能にどのような影響を与えるかを心エコー法で調べ、ミトコンドリアCa2+ユニポーター複合体の分子構成をウェスタンブロット、免疫沈降、Blue native-PAGE解析した。
  • 加えて、心不全のヒト心臓におけるMICU3の発現を測定した。

結論

  • ICU3の発現が増加すると心臓における[Ca2+]mの取り込みが亢進し、減少すると[Ca2+]mの取り込みが減少することが示された [グラフィカルアブストラクト参照]。
  • MICU3は生理学的に[Ca2+]mの制御に重要な役割を果たしており、MICU3の過剰発現は心肥大を誘導するのに十分であることから、MICU3は治療標的となりうる。