[出典] “Machine Learning and Directed Evolution of Base Editing Enzymes” Perrotta RM, Vinke S, Ferreira R [..] Church GM. bioRxiv. 2024-05-17 (preprint). https://doi.org/10.1101/2024.05.17.594556 [所属] Harvard Medical School, Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering (Harvard)

 CRISPR医薬品のカテゴリーにおいて、塩基編集 (BE) が遺伝関連疾患を治療する最も有望なツールの一つとして登場した。しかし、編集可能な領域内の標的ヌクレオチド以外のヌクレオチドの編集 (バイスタンダー編集)の回避が課題になっている。バイスタンダー編集を最小限に抑えたユニバーサル酵素の設計に多くの努力が払われてきたが、特に、コンテクストに依存する活性の制御が課題となっている。

 ハーバード大学の研究チームは今回、3’末端を伸長したsgRNA、すなわちアンカーガイドRNA (agRNA) のライブラリーを設計し、ライブラリースクリーンを経て、バイスタンダーを減らし、コンテクスト依存的に編集効率を高めるに最も有望なagRNAを同定した

 この最適なagRNA候補を組み合わせたTadA-8e酵素のファージによる非連続的進化 (PANCE)を経て、次世代の精密塩基エディター構築を試みた。また、膨大なタンパク質配列データセットで学習させたタンパク質言語モデル (機械学習(ML)モデル)を用いて、脱アミナーゼ活性と精度を向上させることができる進化的にもっともらしい変異パターンを見いだした。
 最後に、
PANCE変異体とML変異体を組み合わせ、バイスタンダー編集を最小化する二重変異体を作製した。
 本研究で確立したガイドRNAと酵素を並行して改変する手法は、個別化塩基編集と多重塩基編集の双方に対応可能な塩基編集バリアント開発用のパイプラインの構築につながった。