[出典

論文CRISPRi-based circuits to control gene expression in plants” Khan MA [..] Kidd BN, Lister R. Nat Biotechnol. 2024-05-20. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02236-w [所属] U Western Australia, CSIRO Synthetic Biology Future Science Platform

著者による解説 Research Briefing “Advancing programmable gene expression in plants using CRISPRi-based Boolean gates” Khan A, Lister R. Nat Biotechnol 2024-05-20. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02273-5

 植物における合成遺伝子回路の構築は、直交的でモジュール化されたパーツの欠如によって制限されてきた。オーストラリアの研究チームが今回、CRISPRiベースの可逆的遺伝子回路プラットフォームを植物に実装した。

 シロイヌナズナのプロトプラストにおいて、様々な強さの抑制性プロモーターのツールキットを作成し、NOR (NOT OR)ゲートを構築した [Fig. 1参照]

 CRISPRiベースの回路を構築するために、TATAボックス (転写開始前複合体形成部位) のすぐ上流と下流でそれぞれ異なるdCas9結合イベントが起こり、転写が抑制されるように植物のプロモーターを操作した。これらのプロモーターは、異なるsgRNAからの2つの入力シグナルを統合することができ、それぞれがdCas9をリクルートしてプロモーターを抑制し、NOT OR (NOR) ゲートを作り出す。NORゲートは、両方の入力が負 (つまり0) の場合にのみ、正の出力 (つまり1) を与える。入力sgRNAのプロセッシングをさらに最適化し、RNAポリメラーゼIIプロモーターから産生できるようにすることで、時空間的な回路制御を可能にし、NORゲートモジュールを接続して、さまざまな複雑なブール論理ゲートを作り出した。

 安定的に形質転換されたシロイヌナズナ植物におけるNORゲートの性能は、複雑な多細胞生物におけるシステムのプログラム可能性と可逆性を実証した。

 さらに、Physcomitrium patensTriticum aestivumBrassica napusのプロトプラストにおいて、CRISPRiベースの論理ゲートが種を超えて機能することを実証した。

 また、複数のNORゲートを重ねることで、ORNIMPLYANDの論理関数を作成することができ、このシステムのモジュール性も示された [Fig. 5参照]

 今回構築したCRISPRi回路は、直交性、コンパクトなサイズ、可逆性、プログラム可能性、および、モジュール式といった特長を兼ね備えており、植物における遺伝子発現の高度な時空間制御のためのプラットフォームとして利用可能である。

[筆頭著者のX投稿を以下に引用]

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