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[] HSPC (hematopoietic stem and progenitor cell)

[出典] “Enhancing prime editing in hematopoietic stem and progenitor cells by modulating nucleotide metabolism” Levesque S[..] Bauer DE. Nat Biotechnol. 2024-05-28. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02266-4 [所属] Boston Children’s Hospital, Dana-Farber Cancer Institute, Harvard Stem Cell Institute, Broad Institute, Harvard Medical School, Milano-Bicocca U (Milan) 

 HSPCsを対象とするPEは、血液疾患を改善する大きな可能性を秘めているが、効率が課題となっている。HSPCsは静止期にはヌクレオチドレベルが低く、レトロウイルス感染抵抗性を示す。PE WikipediaHSPCsで、ヌクレオチド代謝がHSPCにおける逆転写(reverse transcription)を介したPE [PE wikipedia右図模式図参照]を制限する可能性がある。米国を主とする研究チームが今回、HIV-2のアクセサリータンパク質の一種であるVpxを介したSAMHD1の分解とデオキシヌクレオシドの補充によってPEの効率が向上することを示した。

 その上で、ヌクレオチド代謝の調節、PEmaxエディター、ミスマッチ修復 (MMR) 回避を組み合わせることで、HSPCsにおける前例のないプライム編集効率と純度が可能になることを示した。

 最近、in vivoでの造血幹細胞へのゲノムエディター導入が進展していることを考慮すると[*]、これらの知見は、in situで静止期の造血幹細胞を操作する将来のPE療法の設計に役立つ可能性がある。

[]

[Vpx導入とデオキシヌクレオシドの補充の効果詳細]

  • Vpxは、CRL4-DCAF1 E3ユビキチンリガーゼと会合し、SAMHD1をプロテアソーム分解へと誘導する。研究チームは、ウイルス様粒子 (VLP) を用いてVpxを導入することで、PEが促進されるか否かを検証した。サイトカイン存在下でHSPC24時間培養し、PE2 mRNAと、ATP1A1を標的とする最適化pegRNA-ニッキングsgRNAペアを細胞にエレクトロポレーションした[Nat Commun, 2022]。エレクトロポレーション後、Vpx VLPの存在下または非存在下でHSPC72時間培養した。ATP1A1Q118R変異を持つ対立遺伝子の頻度が、健常人ドナーのHSPCsで平均17%から31%に増加した。
  • HSPCde novoヌクレオチド合成能を持たず、ENT1のような膜輸送体に依存して細胞外ヌクレオシド取り込みとヌクレオシド・サルベージ経路を介したdNTP合成を実現することから、外因性デオキシヌクレオシドの補充がPEをさらに促進する可能性がある。エレクトロポレーション前後に100μMのデオキシヌクレオシドでHSPCsを処理したところ、Vpx VLPなしでもPE効率が15%から42%に、Vpx VLPありでは48%に上昇することが観察された。
  • 次に、エレクトロポレーション前、エレクトロポレーション後、およびエレクトロポレーション前後で、異なる濃度のデオキシヌクレオシドで細胞を処理した。デオキシヌクレオシドはすべての条件でPEを促進したが、エレクトロポレーション後にデオキシヌクレオシドを補充すると、より大きな改善(18%から42%)が観察された。
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