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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] “mRNA-encoded Cas13 can be used to treat dengue infections in mice” Basu M, Zurla C, Auroni TT [..] Kumar M, Brinton MA, Santangelo PJ. Nat Microbiol. 2024-06-05. https://doi.org/10.1038/s41564-024-01726-6 [所属] Georgia State U, Emory U and Georgia Institute of Technology, Emory U

 デング熱に対する抗ウイルス剤は未だ存在しない。Cas13を用いた先行研究 [*]では、試験管内でのみデング熱緩和作用が実証されている。米国の研究チームは今回、mRNAにコードされたCas13aと、脂質ナノ粒子に製剤化されたガイドRNAの全身投与が、マウス in vivoにてデングウイルス (DENV-2DENV-3)の治療に使用できることを示した。

  1. In vitroにてDENV-2DENV-3に対して有効なガイドRNAを同定した。
  2. Cas13酵素活性がin vitroDENV-2またはDENV-3の軽減に必要であることを確認した。
  3. 脂質ナノ粒子を形成したCas13a mRNAおよびガイドRNAを感染後1日目に単回投与すると、すべての感染動物の生存が促進され、また、マウスで致死的なチャレンジを行った後、感染後2日目と3日目に血清ウイルス価が低下した。
  4. RNA-seqを用いたマウスのオフターゲット解析では、付随的な切断は見られなかった。
 本研究で得られたデータは、mRNAコード化Cas13が汎DENV薬として有望なことを示唆している。
[*]

[Nature MicrobiologyX投稿を以下に引用]


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