[出典] “Strong association between genomic 3D structure and CRISPR cleavage efficiency” Bergman S, Tuller T. PLoS Comput Biol. 2024-06-07. https://doi.org/10.1371/journal.pcbi.1012214 [所属] Tel-Aviv U

 CRISPRによって、生体内での正確なゲノム編集が可能になったが、その精度にはまだ課題があり、オンターゲット編集およびオフターゲット編集の改善に向けて、その分子機構と決定因子の理解をさらに深める必要がある。
 イスラエルの研究チームは今回、染色体の3次元空間構造とCRISPRの切断効率との間の密接な関係、および、その予測能力を初めて実証した。

  • 高分解能Hi-Cデータを用いてヒトゲノムの異なる領域間の3次元距離を推定し、これらの空間特性を利用して、各領域の密度を特徴付ける3次元の特徴 (以下, 3D特徴) を生成した。
  • これらの特徴を経験的な生体内CRISPR効率データに基づいて評価し、スクリーンショット 2024-06-11 7.39.49最先端のモデル [*]で使用されている425の特徴と比較した [* Leenay, TTISS, GUIDE-seq]。その結果、3D特徴は特徴の上位13%にランクされ、3D特徴で学習させたLASSO回帰モデルxgboost (Extreme Gradient Boosting) モデルの予測力を有意に向上させた [Fig. 3引用右図参照]
  • 3D特徴を加えたモデルは、CRISPR効率は3次元密度と負の相関があり、CRISPRがまばらな領域でより効率的であることを示した

 CRISPRDNA3次元構造によってどのような影響を受けるかを理解することで、CRISPRのメカニズム全般に対する洞察が得られ、CRISPRの切断を正しく予測し、治療や科学的利用のためのsgRNAを設計する能力が向上する。