[出典] “Targeting PD-L1 in Cholangiocarcinoma Using Nanovesicle-Based Immunotherapy” Gondaliya PAli AYan I, Driscoll J, Ziemer APatel T. Mol Ther. 2024-06-10. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2024.06.006 [所属] Mayo Clinic

 米国の研究チームが、胆管癌 (cholangiocarcinoma : CCA)の治療戦略として、PD-L1を標的とするRNA治療薬の送達に生物学的ナノベシクルを用いる可能性を探った。

 RNA治療薬による細胞内での免疫調節を臨床へと展開するにあたって、適切な送達戦略が、課題の一つである。研究チームは、牛乳 (milk)由来のナノベシクルをEpCAMアプタマーで修飾し、PD-L1 siRNAまたはCas9リボ核タンパク質 (RNP) CCA細胞に直接送達するために使用した。

  • In vitroにおいて、ナノべシクルを介した送達はCCA細胞におけるPD-L1発現を減少させる一方で、腫瘍細胞をT細胞またはNK細胞と共培養した場合、脱顆粒、サイトカイン放出、腫瘍細胞細胞傷害性を増加させた。
  • 同様に、腫瘍微小環境を模倣した多細胞スフェロイドにおいても免疫調節が観察された。
  • PD-L1に対するsiRNAを充填した標的治療用ナノベシクルとゲムシタビンを併用すると、免疫不全マウスCCAモデルにおいて、コントロールと比較して腫瘍負担が効果的に軽減した。

 この概念実証研究は、治療用RNAカーゴを腫瘍に送達する担体として標的化ナノベシクルの可能性を示すとともに、CCAのような治療が困難な癌に対する効果的な標的免疫調節療法への利用可能性を示すものである。