[出典] "CRISPRi screen of long non-coding RNAs identifies LINC03045 regulating glioblastoma invasion" Tsung K, Liu KQ, Han JS et al. PLoS Genet 2024-06-10. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1011314 [所属] U Southern California

 膠芽腫に関する研究はこれまでタンパク質をコードする遺伝子に注目が集まっていたが、著者らは今回、膠芽腫の浸潤に重要なlncRNA (長鎖ノンコーディングRNA)をスクリーニングした。CRISPRiによるlncRNAノックダウンとマトリゲル基底膜マトリックスにおける浸潤能との関連を評価し、LINC03045 を膠芽腫の浸潤に重要な遺伝子として同定した。

 培養癌幹細胞を用いてこの発見を検証したところ、この遺伝子をノックダウンすると浸潤が82.7%減少することがわかった。また、臨床的関連性について公開データベース [The Cancer Genome Atlas (TCGA) とGenotype-Tissue Expression (GTEx)]を解析し、LINC03045 が患者の生存期間および腫瘍の悪性度と関連していることを見出した。また、LINC03045 の下流遺伝子として、以前に複数の腫瘍浸潤研究で示唆されJAK-STAT経路のエレメントである遺伝子WASF3 を同定した。WASF3 のノックダウンは浸潤の有意な減少と関連し、WASF3 の過剰発現が、LINC03045 のノックダウンで失われた浸潤機能のレスキューをもたらした。

 LINC03045 遺伝子は、その特徴をさらに明らかにすることで、将来、神経膠芽腫の治療標的となる可能性がある。