[注] セパシア菌群 (Burkholderia cepacia complex: BCC)は、B. cepacia と、生化学的に類似した少なくとも20種のグラム陰性菌からなる複合種を意味する。
[出典] "A CRISPR-Cas-associated transposon system for genome editing in Burkholderia cepacia complex species" Yap ZL, Rahman ASMZ, Hogan AM, Levin DB, Cardona ST. Appl Environ Microbiol. 2024-06-13. https://doi.org/10.1128/aem.00699-24 [所属] U Manitoba (Winnipeg).

 非モデル細菌におけるゲノム編集は、モデル微生物とは異なる遺伝子と機能のつながりを理解する上で重要である。Bccの菌種はバイオテクノロジーに向いた特性を秘めている。しかし、Bccは日和見病原体であり、その産業応用には病原性を理解し排除する必要があるが、そのために利用できる遺伝学的ツールは限られていた。

 カナダの研究チームは今回、ラムノース誘導性プロモーターによって駆動されるCASTに基づく標的DNA挿入プラットフォームRhaCASTを開発し、Bcc株B. cenocepacia K56-2およびBurkholderia multivorans ATCC17616において、標的挿入変異誘発におけるこのシステムの有用性を実証した。

 すなわち、RhaCASTシステムによって、Bccを対象とする機能喪失および機能獲得のアプリケーションを実現可能であり、さらに、選択マーカーを切り離し、再利用することで、遺伝子操作を繰り返すことが可能である。RhaCASTシステムは、Bcc種で利用可能な従来の挿入型突然変異誘発ツールよりも迅速、簡便、かつ適応性が高く、病原性エレメントの破壊や関連する遺伝子モジュールの挿入に利用できる可能性がある。