[出典] "CRISPR-mediated Sox9 activation and RelA inhibition enhance cell therapy for osteoarthritis" Zhao L, Lai  Y,  Jiao  H, Li  J, Lu K, Huang J. Mol Ther. 2024-06-14. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2024.06.016 [所属] Rush U Medical Center (Chicago).

 変形性関節症 (OA) は、痛みを伴い衰弱させる疾患であり、世界中で5億人以上が罹患している。間葉系間質細胞 (MSC) の関節内注入が、OAの臨床治療に有望であるが、MSCの調製と適用に一貫性がないため、MSC治療をさらに最適化し、臨床結果を適切に評価することが困難である。

 シカゴの研究チームは今回、それぞれ、dSpCas9をベースとするCRISPRaとdSaCas9をベースとするCRISPRiを併用に導入することで、同時に、Sox9の活性化とRelAの阻害することに成功した (グラフィカルアブストラクト  参照) 。このアプローチにより、Sox9とRelAの双方を所望のレベルに微調整し、細胞の軟骨形成能と免疫調節能を高めることができる。

 改変細胞を関節内に注入すると、培養液や未改変細胞を注入した場合と比較して、軟骨の分解が有意に抑制され、OA疼痛が緩和された。改変細胞は軟骨の完全性に有益な因子の発現を促進し、OA関節における異化酵素の産生を抑制し、免疫細胞を抑制するのである。興味深いことに、かなりの数の改変細胞が、関節軟骨や半月板を含む軟骨組織で生存可能であった。