1."The N-terminal domain of Type IV-A1 CRISPR-associated DinG is vulnerable to proteolysis" Hallmark T [..] Jackson RN. microPub Biol. 2024-06-05. https://doi.org/10.17912/micropub.biology.001226. [所属] Utah State U
[構造情報] PDB 8V44 N-terminal truncation of CRISPR-associated DinG  (2.9 Å)

 クラス1タイプIV-A CRISPR-Casシステムに必須なDinG(以下、CasDinG)は、ATP依存性の5′-3′DNAヘリカーゼであり、DNAと結合することが予測されるN末端ドメインを含んでいる。ユタ州立大学の研究チームは先行研究 [次項参照]に続いて、N末端ドメインの役割をより深く理解するために、CasDinGとDNA基質の共結晶化を試みた。

 その結果、CasDinGは、これまで観察されていなかった単位胞の稠密な結晶コンフォメーションへと結晶化したが、この構造は結合したDNA基質とCasDinGのN末端ドメインの電子密度を欠いていた [PDB 8V44]
。さらに、結晶のパッキングが密なため、N末端ドメインが入るスペースがなく、N末端ドメインが結晶化前に分解されたことが示された。続く実験から、CasDinGのN末端ドメインは室温では数日後に分解されるが、4℃では分解から保護されることが明らかになった。しかし、CasDinGのN末端ドメインの機能は謎のままであった。

2.DinG GA"CasDinG is a 5'-3' dsDNA and RNA/DNA helicase with three accessory domains essential for type IV CRISPR immunity" Domgaard H [..] Jackson RN. Nucleic Acids Res. 2023-07-03https://doi.org/10.1093/nar/gkad546;グラフィカルアブストラクト引用右図参照
[構造情報] PDB 8E2W Structure of CRISPR-Associated DinG (2.95 Å) 

 CRISPR関連DinGタンパク質 (CasDinG) は、タイプIV-A CRISPRシステムの機能に必須である。ユタ州立大学の研究チームは、Pseudomonas aeruginosa strain 83 イタリック  株由来のCasDinGがATP依存性の5′-3′DNAトランスロカーゼであり、二本鎖 (ds) DNAおよびRNA/DNAハイブリッドを巻き戻すことを明らかにした。DinG 1CasDinGの結晶構造から、2つのRecA様ドメインからなるスーパーファミリー2ヘリカーゼのコアと、3つのアクセサリードメイン (N末端、arch、vestigial FeS)が明らかになった [Figure 1引用右図参照]。

 続いて、プラスミドライブラリーを用いてIV-A型システムが認識するPAM配列 (ターゲットの5′側の5′-GNAWN-3′)を同定し、ドメイン欠失変異体を用いてプラスミド・クリアランス・アッセイを行った。その結果、3つのドメインすべてがタイプIV-A CRISPRシステムの免疫に必須であることが示された。

 さらに、タンパク質の発現と生化学的アッセイから、vFeSドメインはタンパク質の安定性に、archドメインはヘリカーゼ活性に必要であることが示唆された。しかしながら、N末端ドメインの欠失は、ATPアーゼ、ssDNA結合、およびヘリカーゼ活性を損なわず、構造予測ツールが示唆するdsDNAとの相互作用が関与する通常のヘリカーゼ活性とは異なる役割を示していた。

 本研究において、CasDinGヘリカーゼ活性がタイプIV-A CRISPR免疫に必須であることは明らかになったが、CasDinG N末端ドメインの役割は未確定のままであった。

[タイプIV-Aシステム関連関連crisp_bio記事と論文]