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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] マイクロプラスチックは直径が5mm以下の微小なプラスチックとして定義されたが, その後、μmサイズよりもさらに微細なnmサイズのプラスチックも注目され、マイクロ・ナノプラスチックという用語も使われている。
[出典] 
 ニューメキシコ大学の研究チームが、イヌの精巣組織を定期的な去勢手術から入手し、ニューメキシコ州にて匿名化された男性の精巣組織を入手し、高感度熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析を用いて、イヌ47頭、ヒト23名の精巣内に存在する12種類のマイクロプラスチックを定量した。イヌについては、生殖器官重量と精子数のデータを収集した。その上で、記述分析、相関分析、多変量線形回帰分析などの統計分析を行い、マイクロプラスチックと生殖機能との関連を調べた。

 その結果、すべてのイヌとヒトの精巣にマイクロプラスチックが存在し、また、個体間変動が大きいことが明らかになった。マイクロプラスチックの平均総量は、イヌで122.63μg/g、ヒトで328.44μg/gであった。ヒトとイヌの両者とも、主要なポリマータイプの割合は比較的類似しており、ポリエチレン (PE) が支配的であった。さらに、ポリ塩化ビニル (PVC) やポリエチレンテレフタレート (PET)のような特定のポリマーと精巣の規格化重量との間には負の相関が観察された。

 本研究は、イヌとヒトの精巣の両方において、男性の生殖系にマイクロプラスチックが広く存在し、男性の生殖能力に影響を及ぼす可能性があることを浮き彫りにした。

[マイクロプラスチックとは] 

 マイクロプラスチックは一次的と二次的に分類されている。前者は生産段階からすでに小粒なものであり、洗顔料やスクラブ剤などに含まれている。後者は、紫外線や温度あるいは風や波の影響で、プラスチック容器にかぎらず衣料品や人工芝などに利用されているプラスチックから分解されることで生成される [朝日新聞SDGs ACTION 2024-05-24より]

 また、米国で販売されているペットボトルの水1Lに、平均で24万ものマイクロプラスチックが含まれているという査読付き論文が2024年1月に刊行 [*]されている (この数字は先行研究の報告よりも数桁多い) 。

[人体へのマイクロ・プラスチックの取り込みに関するcrisp_bio記事と論文]
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