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[出典] "Eliminating malaria vectors with precision-guided sterile males" Apte RA, Smidler AL [..] Akbari OS. Proc Natl Acad Sci U S A. 2024-06-25. https://doi.org/10.1073/pnas.2312456121 [所属] UCSD, UC Berkeley,  California Institute of Technology, Innovative Genomics Institute

 アフリカの主要なマラリア媒介蚊であるガンビエハマダラカ (Anopheles gambiae ) を駆除することは、マラリア感染を減らすために極めて重要である。殺虫剤に頼った従来の方法は効果が薄れ続けている。一方で、不妊虫放飼法 (sterile insect technique: SIT) はいくつかの害虫の駆除に成功しているが、ガンビエハマダラカでは成功していない。また、オスの不妊化とメスの排除とを組み合わせた完全な遺伝的SITシステムのひとつに精密誘導不妊昆虫法 (precision-guided sterile insect technique: pgSIT) があり、pgSITはイエネコとショウジョウバエの制御で成功しているが、Anophelesではまだ開発されていない。PgSITは、発生の過程で雄性妊性遺伝子と雌性必須遺伝子を標的とする別々のCas9とgRNAの系統を交配させた子孫に雄性不妊と雌性排除を誘導するもので、大規模な放飼に適した誘導可能なシステムである。

 本研究では、ガンビエハマダラカにおいて、オスを不妊化しメスを排除する効率の高いpgSITシステムを開発し、致命的なアフリカマラリア蚊を排除するためのベクターコントロールの選択肢を提供する。

 よく知られた雌性必須遺伝子座であるdoublesexF (dsxF) と、雄性繁殖遺伝子であるZero population growth (zpg)とβ2-チューブリン (β2)を標的としたマルチgRNA株を開発した。このgRNAを帯びた系統とCas9を帯びた系統を交配することで、得られたハイブリッドF1子孫において、雌のアンドロゲン化と強固な雄の不妊が得られることを証明した。次に、雌性必須遺伝子fleを標的とするGSS (genetic sexing systems) Ifegenia (Inherited Female Elimination by Genetically Encoded Nucleases to Interrupt Alleles) を導入することにより雌性排除を改善した。この完全なpgSITシステムによって、ハイブリッド子孫において99.5%以上の雄性不妊と99.9%以上の雌性致死を実現した。

 これらの遺伝的に不妊化されたオスは寿命が長く、ケージ試験で個体群の持続的な抑制を誘導することができ、数理モデルを用いて野生のA. gambiae 個体群を駆除することが予測され、理想的なリリース候補となることを実証した。

 pgSITはまたX-シュレッダーよりもハイスループットであり、遺伝子ドライブよりも封じ込めが容易で制御可能である。また、ほとんど"genetic dead end"(
Ifegeniaのような技術よりも集団に放出される導入遺伝子の数が桁違いに少ない)であるため、A. gambiae ベクター制御ツールキットの強力なツールになることが期待される。

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