[出典] "Tissue-based T cell activation and viral RNA persist for up to 2 years after SARS-CoV-2 infection" Peluso MJ, Ryder D, Flavell R [..] VanBrocklin HF, Henrich TJ. Sci Transl Med 2024-07-03. https://doi.org/10.1126/scitranslmed.adk3295 [所属] UCSF, CellSight Technologies
SARS-CoV-2感染後の急性症状や長期にわたる原因不明のロングCOVIDの症状のメカニズムは、まだ十分に解明されていない。その中で、ヒト体内におけるウイルスの持続性、免疫調節異常、およびT細胞の機能不全が主要な役割を果たしている可能性があることを示す証拠が蓄積されてきた。UCSFなどの研究チームは今回、24人の参加者を対象として、急性SARS-CoV-2感染後27日から910日までの時点において、放射性医薬品である[18F]F-AraGを用いて全身ポジトロン断層撮影を行った。
急性期COVID-19感染後群では、症状の継続の有無にかかわらず、脳幹、脊髄、骨髄、鼻咽頭リンパ組織、肺門リンパ組織、心肺組織、腸壁など多くの部位で、感染前の対照群と比較してトレーサーの取り込みが高かった。脊髄と腸壁におけるT細胞の活性化は、ロングCOVIDの症状の存在と関連していた。さらに、肺組織におけるトレーサー取り込みは、特に肺症状が持続する患者で高かった。これらの組織におけるT細胞活性化の亢進は、ロングCOVIDでない多くの人においても観察された。
腸で検出された[18F]F-AraG取り込みの高さを考慮し、ロングCOVIDの症状を有する5人の参加者から、SARS-CoV-2 RNAのin situハイブリダイゼーションと免疫組織化学的研究のために大腸組織を入手した。5人全員の直腸S状結腸平滑筋組織で細胞内SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードする一本鎖RNAが同定され,その中で3人の参加者では初回COVID-19から676日後までスパイクタンパク質をコードする二本鎖RNAが同定されたことから,組織内ウイルスの持続性が長期にわたる免疫学的障害と関連している可能性が示唆された.
本研究で得られたデータは、ヒト体内でのウイルスの持続性と持続的な免疫活性化が、ロングCOVIDに関連していることを示唆している。
コメント