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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "In vivo evaluation of guide-free Cas9-induced safety risks in a pig model" Ge W, Gou S, Zhao X, Jin Q [..] Wu H, Lai L, Wang K. Signal Transduct Target Ther. 2024-07-19. https://doi.org/10.1038/s41392-024-01905-1 [所属文末] 

 南医科大学と中山大学の研究チームが2020年に「Cas9 、dCas9、およびCas12aは、sgRNAに依存しないゲノム改変を引き起こすことリスク」をin vitro 実験に基づいて報告 [*]していたが、中国の別の研究チームが今回、そのガイドフリーCas9による望ましく無い変異誘発とゲノム不安定化のリスクを、ドキシサイクリン誘導性Cas9発現ブタを用いて、in vivoにおいても存在することを確認した。
  • ガイドフリーCas9の発現には、生体内においてゲノム損傷とトランスクリプトーム改変のリスクが伴うことが、確認された。
  • このゲノム損傷とトランスクリプトームの改変の大きさは、Cas9タンパク質の発現レベルと相関していた。
  • ブタにおけるCas9の長期発現は、体重の有意な減少を含む異常な表現型を引き起こしたが、これはゲノム損傷が誘発する栄養吸収および代謝機能障害に起因することが示唆された。
  • さらに、Cas9を長期発現させたブタでは、全ゲノムおよび腫瘍ドライバー遺伝子変異の増加が観察され、腫瘍発生のリスクが高まった。
 今回の、ブタ生体内におけるガイドフリーCas9のリスク評価は、CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集が臨床遺伝子治療で実施される際に、外来ガイドRNAとは独立なCas9単独の有害な影響を考慮し、モニタリングする必要性を明示し、CRISPR/Cas9システムの臨床応用には、これまで指摘されてきたオフターゲット編集やゲノム改変を超えて、さらなる安全対策の実施が重要であることが示された。

[*] 参考crisp_bio記事と論文
[著者所属機関] China-New Zealand Joint Laboratory on Biomedicine and Health (Guangzhou Institutes of Biomedicine and Health CAS), Hainan Provincial Research Center of Laboratory Animals, Wuyi U, Guangzhou National Laboratory, U CAS, Research Unit of Generation of Large Animal Disease Models (CAMS)
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