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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] EDV (Enveloped Delivery Vehicles / 膜に包まれた送達媒体)
[出典] "Mechanism-guided engineering of a minimal biological particle for genome editing" Ngo W, Peukes JT [..] Doudna JA. (bioRxiv 2024-07-24) PNAS 2024-12-30
https://doi.org/10.1073/pnas.2413519121 [所属] UC Berkeley, UCSF, Stanford U, Gladstone-UCSF Institute of Genomic Immunology, Parker Institute for Cancer Immunotherapy, Lawrence Berkeley National Laboratory

 ゲノム編集を疾病の治療や治癒に広く応用するためには、標的細胞の核内にゲノムエディターを送達する必要がある。EDV は、ゲノム編集リボヌクレオタンパク質 (RNP) をパッケージングし、培養細胞や生体内に輸送することができるウイルス由来の人工粒子である  [*]。これまでに、EDVを利用してCRISPR-Cas9 RNPを介したCAR-T細胞の作製などが報告されてきたが、EDVの構造と送達メカニズムはまだ解明されておらず、EDVの最適化は停滞していた。

 HIV-1レンチウイルスベクターから導出されたEDVは、タンパク質と核酸の核内送達に複数のメカニズムを用いることができる。HIV-1ビリオンは感染細胞のエンドソームから脱出した後、そのカプシドコアはRNAゲノムと関連タンパク質を自然免疫の検出から守り、微小管に沿って移動し、核膜孔を横切って核内に内容物を輸送する。マトリックス・タンパク質を含むいくつかのHIV-1構成要素は、核膜孔複合体を介して輸送するために、インポーティンαなどの宿主タンパク質と結合する核局在シグナル(NLS)を含んでいる。インテグラーゼのような他のHIV-1タンパク質は、核送達のためにカプシドとNLSの両方を使用する可能性がある。

 Doudnaが率いる研究チームは今回、EDVを介したゲノム編集に必要な構成要素を明らかにした。
  • Cas9 RNPの核内への送達は、ネイティブのレンチウイルスキャプシド構造には依存せず、EDVを介したゲノム編集活性は、Cas9酵素上のNLSペプチドの数に直接対応することを発見した。
  • Figure 4さらに、クライオ電子トモグラフィと低分子阻害剤を用いたEDV構造解析をベースに、ウイルス残基のうちパッケージングと送達に関連しない部分を削除し、RNP送達能力を完全に保持する最小のEDV (miniEDV) を作製した [Figure 4引用右図参照]
  • MiniEDVのサイズは、オリジナルのEDVの22%でありながら、同量のCas9 RNPをパッケージ可能であり、細胞株および治療に関連する初代ヒトT細胞において、オリジナルのEDVと比べて、最大2.5倍高い編集効力を達成した。
 これらの結果は、ウイルス由来の粒子を合理化することで、効率的なゲノム編集送達ビークルを作成できることを示しており、生産と製造を簡素化できる可能性がある。

[*] EDV関連のDoudnaチームの先行研究論文紹介crisp_bio記事; Feng Zhangチーム論文]
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