crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] ベンジルイソキノリンアルカロイド (benzylisoquinoline alkaloid: BIA)
[出典] "Developing benzylisoquinoline alkaloid-enriched opium poppy via CRISPR-directed genome editing: A review" Aghaali Z, Naghavi MR. BMC Plant Biol. 2024-07-24. https://doi.org/10.1186/s12870-024-05412-x [所属] Tarbiat Modares U (Iran), U Tehran; 参考文献 119件を含む13頁

 BIAsは、さまざまな病気や疾患の治療に使用される臨床的に有用な薬剤を豊富に提供してきた。オピウム・ケシ (以下、ケシ)に多く含まれるBIAには、モルヒネ、コデイン、テバイン、パパベリン、サンギナリン、ノスカピンなどがある。こうした生薬に対する需要が高まる中で、製薬業界の期待に応えるためには、ケシ植物の遺伝子改良が不可欠であると思われる。

 一方で近年、トランスジーン不要、高精度、選択性、頑健性、多用途性などの特徴を備えたCRISPR/Cas9技術による代謝工学が急速に進展してきた。

 ケシの代謝経路の操作についても、CRISPR/Cas9システムの可能性が実証されたが、ケシを工業的規模でBIAを合成するバイオリアクターに発展させるためには、BIA経路工学の観点から、CRISPR/Cas9技術を詳細に分析する必要がある。

 イランの研究チームは今回、miRNA、花の責任遺伝子および競合経路に関与する遺伝子のノックアウトと塩基編集について述べた。なお、ここで紹介するアプローチは、これまでアヘンケシでは提案も応用もされていない。

[構成]
Introduction
Biosynthesis of major BIAs in opium poppy
CRISPR/Cas9-based strategies to enhance BIAs
 Repressing competitive pathways
 Delaying flowering time
 Suppressing microRNAs
 Base editing
Challenges in engineering BIA pathway by applying CRISPR/Cas technology
Ethical issues surrounding gene editing
Concluding remarks and future perspectives
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット