[出典] "A Multi-AS-PCR-Coupled CRISPR/Cas12a Assay for the Detection of Ten Single-Base Mutations" Wu Y, Chang Y [..] Wang F, Wei L. Anal Chim Acta. 2024-07-26. https://doi.org/10.1016/j.aca.2024.343027 [所属]  Lanzhou U,  Gansu Provincial Hospital, Ningxia Medical U, Gansu U  Chinese Medicine

 一塩基多型 (SNP) の検出は疾患の診断に不可欠であり、迅速かつ正確な診断ツールの開発は治療や予防に不可欠である。一方、CRISPRに基づく技術は、ガイドgRNAを介して変異部位を標的に高い感度と特異性を提供する。

 中国の研究チームは今回、CRISPR技術の高い感度と特異性に、アレル特異的プライマーを利用するPCR (allele specific PCR: AS-PCR) の多重化 (multi-AS-PCR)機能と統合することで、10個の一塩基変異の同時検出を実現した。

 その過程で、Multi-AS-PCRに関しては、同じ遺伝子座を標的とするプライマーの競合阻害と、これらのプライマーの増幅効率の乖離が相まって、増幅効率が低下する可能性があることをが明らかになったことから、プライマーの組み合わせや比率を調整・最適化し、最終的に、マルチプレックスSNPs検出のための新しい"nested Multi-AS-PCR-Cas12a"法に至った。

 この手法をリファンピシン耐性結核菌の診断に適用したところ、検出限界 102 aM と、シークエンシングによるアッセイに匹敵する感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率 (それぞれ100%、93.33%、90.00%、100%) を達成した。